宮口翔太講師(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が,国際誌『Journal of Clinical Neuroscience』に採択されました!
研究内容の概要;
睡眠時間や睡眠の質は、ヒトの記憶や学習に関係することが古くから知られていますが,運動記憶への影響は未だ十分に明らかになっておりません.先行研究では,スポーツ動作の定着には練習後の睡眠時間が重要だということが報告されておりますが,練習前の睡眠に着目した報告は未だ少ないのが現状です.本研究では,バスケットボールのシュート練習前後の睡眠がシュートスキルの定着に関与するかどうかを調べました.その結果,練習後の睡眠だけでなく,練習前の睡眠もシュートスキルの定着に関与していることが明らかになりました.本研究成果は、国際誌『Journal of Clinical Neuroscience』に掲載予定です.
宮口先生からのコメント;
本研究では,練習前後の睡眠がバスケットボールシュートスキルの定着に関与することを明らかにしました.この結果は,運動スキルを効率よく身に付けるには,どのような練習をするかだけでなく,しっかりと睡眠をとることが重要であることを示しております.今後は,睡眠時間や睡眠の質を高めるような介入を施行したり,脳刺激と組み合わせることによってスポーツ動作の定着を高められるかを検討したいと考えております.
本研究のポイント;
① バスケットボール未経験者に100本のシュートを練習してもらい,シュート結果をスコアリングし,アクチグラフを用いて評価した練習日前後の睡眠との関係性を調べました.
② 練習前後の睡眠時間が長い人は,睡眠時間が短い人に比べて練習したシュートスキルの定着率が高いことが明らかになりました.
原著論文情報;
Miyaguchi S, Inukai Y, Hashimoto I, Otsuru N, Onishi H. Sleep affects the motor memory of basketball shooting skills in young amateurs. Journal of Clinical Neuroscience. Vol.96.187-193.2022.