5/9 勉強会

【研究報告】

担当:渡邊(貴)さん(M2)

タイトル:Coperと慢性足関節不安定症者におけるランニング中の足部内協調性パターン

  • 目的:初回捻挫後の受傷者をcoperに移行させるために,coper群とCAI群,捻挫の経験がないcontrol群の後足部と中足部間,中足部と前足部間の協調性の違いを検証した.
  • 方法:対象はcontrol群9名,coper12名,CAI群12名を選出し,被験者にはトレッドミル上で後足部接地でのランニングを実施してもらった.協調性は,modified Vector Coding Techniqueを用いて,協調性の指標であるcoupling angleを,後足部と中足部間,中足部と前足部間で算出し,4つの協調生にパターンに分類した.3群間の協調性の割合を各期でOne-way ANOVAにて比較し,多重比較法でTukey法を用いた.
  • 結果:Coper群はCAI群と比較して,立脚後期に同位相で中足部内がえし優位な協調性が増加し,同位相で後足部内がえし優位な協調性の割合が減少した(p<0.05).さらにcoper群はCAI群と比較して,立脚初期に逆位相で前足部内がえし優位な協調性が増加した(p<0.05).
  • 結論:本研究結果は,初回捻挫後の受傷者をcoperに移行するための,基礎的知見になり得る.

【文献抄読】

担当:長坂先生

タイトル:SARS-CoV-2 is associated with changes in brain structure in UK Biobank

出典:Douaud et al., Nature. 2022. doi: 10.1038/s41586-022-04569-5

  • 目的:SARS-CoV-2感染による脳構造の変化を明らかにする。
  • 方法:イギリスのBioBankに登録されている感染経験のある症例401名と、感染を経験しなかった384名を対象とし、当該被験者群のMRI画像を用いた。このMRI画像は感染前後の2時点で撮像したものであった。解析はBioBank解析パイプラインに準じて行い、辺縁系脳領域の厚さと損傷マーカーを評価した。
  • 結果:感染者は非感染者と比較して海馬傍回や眼窩前頭皮質で皮質厚が減少していた。また、感染者では嗅皮質に関連する辺縁系脳領域では損傷マーカーが高値を示した。
  • 結論:SARS-CoV-2感染は脳の構造レベルに影響を与えている可能性がある。