4/11 勉強会

【研究報告】

担当:舎川さん(M2)

タイトル:膝前十字靭帯再建術を受けた女性の月経周期における関節弛緩性と筋力学的特性の変化

  • 背景:女性は男性と比較して膝前十字靭帯(ACL)損傷の発生率や再損傷率が高く、月経周期による影響が示唆されている。ACL損傷の危険因子の1つに関節弛緩性(膝前方弛緩性、反張膝、全身関節弛緩性)がある。再建術側と非術側で関節弛緩性のふるまいに違いがあるかを明らかにすることで、術後リハビリテーションや再損傷予防法の立案につながると考えた。
  • 目的:術側の関節弛緩性と筋力学的特性が周期変動するか検討する。術側と非術側における周期変動を比較する。
  • 方法:ACL再建術を受けた女子大学生を対象に月経周期の卵胞前期と排卵期で関節弛緩性と筋力学的特性を測定した。膝前方弛緩性はKS measureを用いて大腿骨に対する脛骨の前方移動量を測定した。反張膝は過伸展実験装置を用いて膝関節伸展角度を算出した。同時に踵部にかかる力も測定した。全身関節弛緩性はBeighton scoreを用いて評価した。筋力学的特性は超音波画像診断装置によって同定した筋腹の位置でMyotonPROを用いて測定した。

【文献抄読】

担当:池上先生

タイトル:Preconditioning contractions prevent prolonged force depression and Ca 2+-dependent proteolysis of STAC3 after damaging eccentric contractions

出典:Ashida et al., J Appl Physiol. 2021. doi: 10.1152/japplphysiol.00463.2021.

  • 背景:プレコンディショニング(PC)は,伸張性収縮(ECC)誘発性の筋力低下からの回復を著しく改善することが示されている.
  • 目的:興奮収縮連関に必須な SH3 and cysteine-rich domain 3 (STAC3)に着目し,PCの効果のメカニズムを検討した.
  • 方法:Wistar系雄性ラットの内側腓腹筋にECCを負荷した直後,1日,4日後に摘出した.PCはECCの2日前に負荷した.
  • 結果:ECCにより筋発揮張力が低下し,PCは張力の低下を抑制した.ECC後,STAC3の有意な減少,カルパイン1の活性化が確認され,PCによりSTAC3の減少,カルパイン1の活性化は抑制された.
  • 結論:カルパイン1の活性化によるSTAC3減少を抑制することにより,PCはECC後の筋損傷を軽減させる可能性が示された.