4/4 勉強会
【研究報告】
担当:井上先生
タイトル:食事誘発性炎症はサルコペニアと関連する
- はじめに:炎症はサルコペニアの主要な原因の一つである.Dietary Inflammation Index (DII)は食事誘発性炎症をスコアリングした指標である.本研究はDIIとサルコペニアの関連を明らかにすることを目的とした.
- 方法:フレイル外来に通院する外来患者を対象とした横断研究とした.DIIはBDHQから算出した.DIIは四分位点で4群に分類した(Q1–Q4).サルコペニアはAWGS2019を使用して診断した.サルコペニアに対するロジスティック回帰分析を実施した.
- 結果:解析対象者は304名で平均年齢は77.6 ± 6.3であり,67.4%は女性であった.サルコペニアの有病割合は14.5%であった.サルコペニアの有病割合はQ1で9.2%,Q2で11. 7%,Q3で11.8%,Q4で25.3%であり,段階的に増加した(P = 0.008).年齢,性別,併存疾患,BMI,身 体活動量で調整したロジスティック回帰分析の結果,DIIはサルコペニアと関連した (reference: Q1, Q4: OR 3.40, 95% CI 1.11–10.39).
- まとめ:フレイル外来に通う外来患者において,食事誘発性炎症が高いことはサルコペニアと関連した.
【文献抄読】
担当:田宮先生
タイトル:Acute effects of interrupting prolonged sitting on vascular function in type 2 diabetes
出典:Taylor et al., Am J Physiol Heart Circ Physiol 2022. doi: 10.1152/ajpheart.00422.2020.
- 目的:2型糖尿病患者において,低強度の抵抗運動を行い長時間の座位を中断することが,下肢血管機能に与える影響を明らかにすること.
- 方法:対象は24名の2型糖尿病患者とした.①7時間の座位を続ける群(SIT),②30分ごとに座位を中断し,3分間の抵抗運動を行う群(SRA3),③60分ごとに座位を中断し6分間の抵抗運動を行う群(SRA6)を設定し,浅大腿動脈の血管機能の変化を比較した.
- 結果:SRA3において,長時間の座位後の血管機能が改善した.
- 結論:2型糖尿病患者において,長時間の座位後の下肢血管機能を改善するためには,より頻回で短い間隔の運動を行うことが有益であることが示唆された.