1/17 勉強会

【研究報告】

担当:平林

タイトル:反復他動運動が脊髄機能と関節運動に及ぼす影響:注意に着目

  • 目的:反復他動運動中の被験者の注意対象に着目し,脊髄機能と関節運動機能に及ぼす影響を明らかにすることした.
  • 方法:実験を2つ実施し,健常成人20名を対象に,実験1は,10分間反復他動運動介入中に4条件の注視条件(コントロール,前方,モニター,足関節)を実施し,介入前後の相反性抑制の計測を行った. 実験2は,介入前後で関節運動機能を評価した.
  • 結果:相反性抑制は注視条件に関係なく,反復他動運動後に相反性抑制は増強した.関節運動機能は足関節接注視することで関節運動機能が向上した.
  • 結論:足関節を注視した反復他動運動によって,相反性抑制が増強し,関節運動機能が向上した.

 

【文献抄読】

担当:井上(創)

タイトル:女性ホルモンが「かゆみ」の感受性にどのような影響を与えるか: Estrogens influence female itch sensitivity via the spinal gastrin-releasing peptide receptor neurons

出典:Takanami, Keiko et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America vol. 118,31 (2021): e2103536118. doi:10.1073/pnas.2103536118

  • 目的:女性ホルモンがGRP/GRPRを介した痒みに及ぼす影響を検討すること.
  • 方法:卵巣摘出術(OVX)を施した雌性のラットとOVX後にエストラジオールを投与したラットを用いて行動・免疫組織化学染色・薬理学・電気生理学・遺伝子解析学的実験を行った.
  • 結果:エストラジオール投与群で痒み行動が増加し,電気生理学手法でも同様の結果が得られた.また,GRP/GRPRはプロモーター領域にCREBやエストロゲン核内受容体を持っていることから,エストロゲンにより発現が制御されていることが分かった.
  • 結論:女性ホルモンであるエストロゲンはGRP/GRPRシステムを調節することで痒み感受性に影響を与える.