12/6 勉強会

【研究報告】

担当:齊藤

タイトル:左背外側前頭前野に対する経頭蓋電気刺激が触覚方位弁別能力にもたらす効果

  • 目的:左背外側前頭前野に対して経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)および経頭蓋パルス電流刺激(anodal tPCS)を与えたときに,右手指の触覚方位弁別能力に生じる変化を検討する.
  • 方法:対象は健常成人36名とした.左背外側前頭前野に対してtRNSもしくはanodal tPCSを10分間与え,刺激前後と刺激後30分で触覚方位弁別能力の評価を実施した.
  • 結果:いずれの刺激条件においても,刺激前後および刺激後30分で触覚方位弁別能力に有意な変化は見られなかった.しかし,tRNSについては,刺激前の弁別能力とtRNSによって生じた触覚方位弁別能力の変化率の間に負の相関関係が認められた.
  • 結論:刺激前の触覚方位弁別能力が低い対象者では左背外側前頭前野に対してtRNSを与えることで右手指の触覚方位弁別能力が向上する可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:菊地

タイトル:Pathoanatomy of the jones fracture in male university soccer players

出典:Fujitaka et al., The American Journal of Sports Medicine 48 (2020) 424-431. doi:10.1177/0363546519893365.

  • 目的:荷重位における足部X線画像を,マッピングシステムを用いて評価し,Jones骨折と足部の構造との関連を調査すること.
  • 方法:マッピングシステムを用いて,男性大学サッカー選手におけるJones骨折群(受傷側,非受傷側)とコントロール群(利き足,非利き足)のX線画像を解析し,第5中足骨の長さ,中足骨と足根骨の位置を算出した.
  • 結果:Jones骨折群は,コントロール群と比較して有意に第5中足骨が近位へ長かった.また,Jones骨折群(受傷側)はコントロール群と比較して有意に内側縦アーチが高かった.
  • 結論:第5中足骨が近位に長いことは,レバーアームを増大させるため,荷重時の第5中足骨基部への力学的ストレスが増大することが示唆された.さらに,内側縦アーチが高いことは,足部外側への荷重負荷の増大に寄与する可能性がある.これらの解剖学的特徴は,メディカルチェック時のJones骨折発生リスクを検討する上で有用な情報である.