3/29 勉強会

【研究報告】

担当:丸山

タイトル:正常月経および月経不順の女性における月経周期中の関節弛緩性の変化

  • 背景:膝前十字靭帯(ACL)損傷の発生率は男性と比較して女性で高く,月経周期においては卵胞期や排卵期にACL損傷の発生が多い.このことから,周期的に変動する女性ホルモンがACL損傷の危険因子に影響を与えていると考えられている.ACL損傷の危険因子の中に,膝前方弛緩性(Anterior Knee Laxity:AKL),全身関節弛緩性(General Joint Laxity:GJL),反張膝(Genu Recurvatum:GR)などの関節弛緩性があり,月経周期における弛緩性の変化について多くの研究が行われている.しかし,月経不順を有する女性において関節弛緩性がどのような変化を示すのかは不明である.
  • 目的:健常女子・男子大学生および大学女子アスリートを対象に関節弛緩性を測定し,月経正常群,月経不順群,男性群で比較すること.
  • 仮説:正常月経を有する健常女子大学生および大学女子アスリートは,関節弛緩性(AKL/GJL/GR)が月経周期で変化する.一方で,月経不順を有する健常女子大学生および大学女子アスリート,健常男子大学生は,関節弛緩性が変化しない.
  • 方法:対象は健常女子・男子大学生,本学女子アスリート(バレー部,バスケ部)する.女性は月経周期を卵胞前期/卵胞後期/排卵期/黄体期の4期に,男性は28日間を1周期として4期に区分し,各期に連続2回ずつ,計8回AKL/GJL/GRの測定を行う.

 

【文献抄読】

担当:関根

タイトル:Acute effects of varying squat depths on lumbar intervertebral disks during high-load barbell back squat exercise

出典:Yanagisawa et al., Scand J Med Sci Sports, 31 (2) 350-357, 2021

  • 目的:高負荷スクワット運動が腰椎椎間板に及ぼす即時的な生理学的影響を明らかにすること.
  • 方法: 13名の被験者が高負荷のパラレルスクワットとハーフスクワットを行った.スクワットの前後に,腰椎矢状断の拡散強調画像,T2強調画像を撮影し,腰椎椎間板のADC値(apparent diffusion coefficient:水分子の移動の指標)とT2値(水分量の指標)を算出した.さらに,各スクワットのボトムポジションにおける腰椎前弯角度と骨盤前傾角度を測定した.
  • 結果:パラレルスクワットでは,スクワット前に比べ,スクワット後にL4/5・L5/S1椎間板のADC値が低下した(p<0.01).L5/S1椎間板のADC値は,ハーフスクワット後に比べ,パラレルスクワット後で低値を示した(p<0.05).ハーフスクワットに比べ,パラレルスクワットで腰椎前弯角度,骨盤前傾角度が小さかった(p<0.01).
  • 結論: 下位腰椎椎間板は高負荷のパラレルスクワット時に大きな機械的ストレスを受け,水分子の移動の指標であるADC値が低下する.