10/24 勉強会

予演会 第41回日本臨床神経生理学会・学術大会 2011.11.10-12(静岡)

担当:鈴木(ポスター)
演題名:反復関節運動に伴う皮質脊髄興奮性の相反的な変化
  • 目的;反復関節運動に伴う皮質脊髄興奮性の相反的変化を検証することを目的とした.
  • 方法;健常被験者10名を対象とした(平均年齢20.9歳).皮質脊髄興奮性の指標には,経頭蓋磁気刺激による
    運動誘発電位の
    input-outputIOcurveを用いた.反復関節運動には,LED信号を合図に素早く手関節を伸展
    する運動を用い,
    10回を10セット反復した.反復関節運動の前後で運動の主動筋(前腕伸筋)および拮抗筋
    (前腕屈筋)における
    IO curveを測定し,運動に伴う皮質脊髄興奮性の相反的な変化を観察した.
  • 結果;反復練習後に前腕伸筋におけるIO curveは増加した.一方,前腕屈筋では反復練習後にIO curveが減少した.
  • 考察;反復運動に伴い,運動の主動筋および拮抗筋に投射している皮質脊髄興奮性に相反的な変化が観察された.

担当:桐本(口演)
演題名:静的筋収縮時の運動負荷形式によるSEPの“Gating”量の違い‐筋力制御と肢位制御‐
  • 目的;静的筋収縮時の負荷形式には筋力(FcT)と肢位制御課題(PcT)がある.PcTは疲労が早く,同一負荷
    強度
    での持続収縮可能時間はFcTの約半分であり,感覚情報処理過程(Ⅰa線維の興奮性)の差がこの一因と
    して考えられる.
    そこで両課題遂行時のSEP振幅の低下量(Gating)を比較検討した.
  • 方法11名の被験者が示指外転位10°で最大筋力の20%を保持するFDIの静的収縮を両負荷形式でそれぞれ
    90秒間行った.安静時及び筋収縮中に右尺骨及び正中神経刺激によるSEPを頭皮上C3’より記録した.
  • 結果;尺骨神経刺激時のみN33PcTではFcTより有意に減少し,正中神経刺激時のGating量に課題間の差はなかった.
  • 考察PcTでは固有受容感覚情報をより多く必要とするため,末梢性Gating量が増大した.FcT に比べPcTでは持続
    収縮によりIa神経活動の機能低下が早く進行し,α運動神経への興奮性入力が減弱することが易疲労性につながると推察された.

 

 

 

 

【目的】静的筋収縮時の負荷形式には筋力(FcT)と肢位制御課題(PcT)がある.PcTは疲労が早く,同一負荷強度での持続収縮可能時間はFcTの約半分であり,感覚情報処理過程(Ⅰa線維の興奮性)の差がこの一因として考えられる.そこで両課題遂行時のSEP振幅の低下量(Gating)を比較検討した.

【方法】11名の被験者が示指外転位10°で最大筋力の20%を保持するFDIの静的収縮を両負荷形式でそれぞれ90秒間行った.安静時及び筋収縮中に右尺骨及び正中神経刺激によるSEPを頭皮上C3’より記録した.

【結果】尺骨神経刺激時のみN33PcTではFcTより有意に減少し,正中神経刺激時のGating量に課題間の差はなかった.

【考察】PcTでは固有受容感覚情報をより多く必要とするため,末梢性Gating量が増大した.FcT に比べPcTでは持続収縮によりIa神経活動の機能低下が早く進行し,α運動神経への興奮性入力が減弱することが易疲労性につながると推察された.