12/21 勉強会

【研究報告】

担当:太田

タイトル:遅発性筋痛における機械痛覚過敏分子機構の解明

  • 目的:TRPチャネルのうちメカノセンサーとして機能が見出されつつあるTRPA1とTRPV2が,遅発性筋痛の機械痛覚過敏に関与するか行動学的手法により明らかにする.
  • 方法:野生型マウス,TRPA1ノックアウトマウス(A1-KO),一次求心性感覚神経特異的TRPV2コンディショナルKOマウス(V2-cKO),SDラットの下肢筋に対しそれぞれ伸張性収縮を負荷し,筋機械逃避閾値を測定した.ラットにおいては,筋機械逃避閾値低下のピーク時にTRPA1ならびにTRPV2に対する選択的阻害薬を投与し効果を調べた.
  • 結果:A1-KOの筋機械逃避閾値は伸張性収縮により変化しなかった.V2-cKOの筋機械逃避閾値は野生型マウスと同様,伸張性収縮により低下した.遅発性筋痛ラットに対するTRPA1阻害薬投与で筋機械逃避閾値低下が抑制されたが,TRPV2阻害薬では抑制されなかった.
  • 結論:TRPA1は遅発性筋痛の機械痛覚過敏に関与することが明らかとなった.

     

【文献抄読】

担当:平林

タイトル:Exploiting cervicolumbar connections enhances short-term spinal cord plasticity induced by rhythmic movement

出典:Exp Brain Res. 2019 Sep;237(9):2319-2329. doi: 10.1007/s00221-019-05598-9.

  • 目的:上下肢のサイクリングトレーニングの脊髄機能を検討した
  • 方法:健常成人14名を対象に,control,上肢のみ,下肢のみ,上下肢のサイクリングを4群で実施し,30分間のサイクリング前後に脊髄興奮性を計測した.
  • 結果:上下肢群において最も脊髄興奮性を減弱させた.
  • 結論:上下肢を併用したサイクリングは,過剰な緊張を減弱させる可能性が示唆された.