4/20 勉強会

【研究報告】

担当:渡部

タイトル:非予測的・予測的な片脚着地動作における慢性足関節不安定症とCoperの下肢筋活動と足関節の運動学を比較

  • 目的:慢性足関節不安定症,coper群とControl群における非予測的・予測的な片脚着地時の足部筋活動と足関節の運動学を明らかにすることを目的とした.
  • 方法:課題動作は右片脚着地動作とし,被験者は30㎝高の台上から着地板へ着地してもらった.本実験では,着地板が傾く場合を非予測的な着地動作とし,傾かない場合を予測的な着地動作として定義した.
  • 結果:非予測的な着地動作においてCAI群は,Coper群とControl群と比較して長腓骨筋反応時間の遅延・着地後の長腓骨筋の筋活動の低下・前額面CCIの増加・足関節内反角度ピーク値の増加が明らかとなった.しかし,予測的な着地動作においてCAI群とCoper群は有意差が認められなかった.
  • 考察:非予測的な着地動作においてcoper群とCAIは,フィードバック神経筋制御と足関節の運動学が変化することが明らかとなった.しかし,予測的な着地動作においてCAI群とCoper群の両群とも同様のフィードバック神経筋制御戦略であることが明らかとなった.

 

【文献抄読】

担当:横田

タイトル:Finger Posture and Finger Load are Perceived Independently

出典:Prendergast. et al. Finger Posture and Finger Load are Perceived Independently. Sci Rep 9, 15031 (2019). https://doi.org/10.1038/s41598-019-51131-x

  • 目的:指関節にかかる荷重が指関節位置覚に与える影響,課される荷重が指関節位置覚に与える影響,およびActive/Passiveの差が指関節位置覚に与える影響について明らかにすることを目的とした.
  • 方法: DIP, PIP関節を固定し,示指MP関節のみが運動を行えるような装置を用い,referenceである右MP関節をモニター上のガイドに従い動かし,左手で模倣する対側マッチング課題を実施した.この際右MP関節の運動に対し50, 100, 150, 250 gの重りを負荷することで位置覚に与える影響を検討した(実験①).次いで30°に保たれた右示指に対して,モニターのガイドに従い左示指を規定の角度(0, 18, 25, 28, 32, 35, 42, 60°)に配置し,屈曲角度の弁別課題を行なった(実験②).最後に,両MP関節を30°に屈曲した状態で,左右の示指に加わる重量の弁別課題を行なった(実験③).
  • 結果: いずれの課題においても有意な差は認められず,示指はこれまで先行研究により報告されている近位の関節と異なり,加わる力に関わらず,正確な角度の知覚能力を有しており,測定時の角度に関わらず,正確な重量の知覚が可能であることが明らかになった.
  • 結論: 示指の角度の知覚は加わる荷重とは無関係であり,荷重の知覚はその際の指の角度とは無関係で精細であった.指の固有感覚において,角度知覚と荷重知覚は複数の感覚情報源の合成が重要である可能性が示唆された.