6/10 勉強会

【研究報告】

担当:中村(絵)

タイトル:成長期野球選手の投球障害予防~投球数と障害の関係について~

  • 目的:成長期野球選手における投球数と障害発生頻度の実態を把握する
  • 方法:県内高校野球選手に対して野球歴,練習状況および既往歴についてのアンケート調査を実施し,障害発生状況および最多投球数の関係を検討した.
  • 結果:過去1年間に投球時にいずれかの痛みを生じていた選手は全体の41.9%であり,学年が上がるほど高率であった(34.2%,43.7%,47.2%).また痛みを生じていた部位は肘が最も多く,次いで肩,腰であった.これまでの最多投球数との関係は,肩肘痛の既往のある選手では1日180球以上(キャッチボール等含む)を超える選手が半数を超えていたが,肩肘痛の既往のない選手との有意な差は認められなかった(P=0.172)
  • 結論:高校野球選手における過去1年間の障害発生頻度は約4割であった.最多投球数と障害発生については有意な差が認められなかったが,今後,ポジションや学年毎など詳細な検討が必要であるといえる.

 

【文献抄読】

担当:宮口

タイトル:Transcranial direct current stimulation with Halo Sport enhances repeated sprint cycling and cognitive performance

出典:Huang et al. Front Physiol. 2019;10:118. doi: 10.3389/fphys.2019.00118. eCollection 2019.

  • 目的:Halo Sportを用いた経頭蓋直流電流刺激がサイクリングパフォーマンスおよび認知機能に与える効果を明らかにすること.
  • 方法:対象は健常成人9名であった.Halo Sportは,刺激強度2.0 mAにて20分間刺激した.サイクリングパフォーマンスの評価には,6秒間×5セットの最大サイクリング運動時の最大パワーと平均パワーを用いた.認知機能の評価には,Stroop taskの反応時間および正解率を用いた.
  • 結果:Halo Sportによる刺激によって,最大サイクリング運動時の平均パワーおよびStroop taskの正解率が増大した.
  • 結論:Halo Sportを用いた経頭蓋直流電流刺激によってサイクリングパフォーマンスおよび認知機能が向上することが明らかになった.