5/27 勉強会
【研究報告】
担当:森下
タイトル:がんサバイバーと健常者間でのMini-BESTest、TUG、重心動揺検査の違いについて
- 目的:本研究はがんサバイバーと健常者にMini-BESTest(Mini-Balance Evaluation Systems Test)、TUG(Timed Up and Go test)、重心動揺検査を行い、両群のバランス機能に違いがあるかどうかを調査することである。
- 方法:がんサバイバー26名と性別と年齢をマッチさせた健常者19名を対象とした。対象者には筋力(握力、膝伸展筋力)とバランス機能を評価した。バランス評価にはMini-BESTest、TUG、重心動揺検査を行った。重心動揺検査は重心動揺計を用いて、閉眼・開眼それぞれ30秒間行った。それぞれの項目をがんサバイバーと健常者間で比較した。なお、本研究は新潟医療福祉大学倫理審査委員会の承認を得て実施した。
- 握力:はがんサバイバー群において健常者と比較すると有意に低値を認めた(p<0.05)。膝伸展筋力に関してはがんサバイバーと健常者間で差は認めなかった。バランス評価において、がんサバイバーは健常者に比べMini-BESTestで有意に低値を認めた(p<0.05)。TUG、重心動揺検査ではがんサバイバーと健常者間で有意差は認めなかった。
- 結論:今回われわれは重心動揺検査やTUG評価でがんサバイバーと健常者間でバランス機能の低下を発見することはできなかった。しかしながらMini-BESTestではがんサバイバーは健常者にくらべ有意に低値を示した。このMini-BESTestはがんサバイバーのバランス評価に利用できる可能性がある。
【文献抄読】
担当:中村(雅)
タイトル:Full squat produces greater neuromuscular and functional adaptations and lower pain than partial squats after prolonged resistance training
出典:Pallarés et al. Eur J Sport Sci. 2019;15:1-10.
- 目的:本研究の目的は,普段よりトレーニングを行っている被験者を対象に,10週間の異なるスクワット角度(フルスクワット,パラレルスクワット,ハーフスクワット)が神経筋機能および機能面での適応,障害発生について検討した.
- 方法:53名のトレーニング経験豊富な被験者をフルスクワット群,パラレルスクワット群,ハーフスクワット群およびコントロール群に群別けを行い,スクワットトレーニングを行う群は週2回,10週間のトレーニングを行った.トレーニング前後の筋力,スクワット時の速度,運動パフォーマンス,質問指標による疼痛,こわばり,身体的機能障害の有無を評価した.
- 結果:フルスクワット群は筋力・神経筋機能は改善し,最も大きな運動パフォーマンスの改善効果することが明らかとなった.またパラレルスクワットは,フルスクワット群に次いで大きな改善を認めた.ハーフスクワット群は筋力や運動パフォーマンスが改善しなかっただけではなく,疼痛やこわばり,身体的機能障害の訴えが大きくなった.
- 結論:フルスクワットおよびパラレルスクワットが効果的に筋力,運動機能を改善させることが出来るスクワットトレーニングである.