9/26 勉強会
研究報告
担当:山代
テーマ:野球選手における大脳皮質の可塑的変化について
- 目的;本研究は野球を7年以上行っている選手とそれ以外のスポーツ選手の体性感覚誘発電位の比較を行った.
- 方法;野球選手7名,その他のスポーツ選手8名を対象に示指電気刺激に対する体性感覚誘発電位と単純反応時間を測定した.
- 結果;野球選手はその他のスポーツ選手に比べ,P100・N140の潜時,単純反応時間が有意に短縮していた.
P100潜時と単純反応時間には相関関係が認められた.
- 考察;本研究の結果は,手の感覚が非常に重要と推察される野球選手において知覚プロセスの促進が起こる可能性を示唆している.
文献抄読
担当:久保
論文:”Learning a stick-balancing task involves task-specific coupling between posture and hand displacement.
Cuff T et al., Exp Res 213: 15-25, 2011.
- 目的;”シナジー”の考え方は最終効果器・関節・筋肉レベルなど運動器レベルの協調で捉えられるが,
運動-感覚のシナジーを捉えるためには対象物操作が課題として適しているだろう.運動学習の進行にともない,
課題に特有なサブシステム(姿勢・感覚・随意運動)間の相互作用が形成されてくることが観察されるだろう.
- 方法;立位姿勢で人差し指上の棒のバランスをとることを課題として,指の動き(F),足圧中心(COP)の変化を
計測し,それぞれの時系列データおよび二つの時系列の積(F-COP)に対してRecurrence Qualification Analysisを
行った.
- 結果;COPとFについては,運動学習の進行にともない空間的Regularityは下がりより不連続になることが観察
されたが,F-COPではRegularityが上昇した.
- 考察; 運動学習による,随意運動システムと姿勢調整システムのカップリングが強化されたと考えられる.
COPとF信号の間に負の相関が見られなかったため,予測による姿勢調整機能の学習ではなく,通常は「正」に
カップリングしている姿勢調整と指の運動が必要なときにのみ切り離されて個別に制御するというメカニズムが考えられた.
・”シナジー”の考え方は最終効果器・関節・筋肉レベルなど運動器レベルの協調で捉えられるが,運動ー感覚のシナジーを捉えるためには対象物操作が課題として適しているだろう.
・運動学習の進行にともない,課題に特有なサブシステム(姿勢・感覚・随意運動)間の相互作用が形成されてくることが観察されるだろう.
・立位姿勢で人差し指上の棒のバランスをとることを課題として,指の動き(F),足圧中心(COP)の変化を計測し,それぞれの時系列データおよび二つの時系列の積(F-COP)に対してRecurrence Qualification Analysisを行った.
・COPとFについては,運動学習の進行にともない空間的Regularityは下がりより不連続になることが観察されたが,F-COPではRegularityが上昇した.
・ 運動学習による,随意運動システムと姿勢調整システムのカップリングが強化されたと考えられる.
・COPとF信号の間に負の相関が見られなかったため,予測による姿勢調整機能の学習ではなく,通常は「正」にカップリングしている姿勢調整と指の運動が必要なときにのみ切り離されて個別に制御するというメカニズムが考えられた.