1/28 勉強会

【研究報告】

担当:山﨑

タイトル:有酸素性運動による体性感覚野活動の変化

  • 目的:一過性有酸素性運動が一次体性感覚野(S1)の活動、及び体性感覚機能に与える影響を明らかにすること.
  • 方法:S1の活動を評価する実験1と、体性感覚機能を評価する実験2を実施した.実験1では、single SEP、paired-pulse inhibition (PPI)によりS1の活動を評価した.実験2では、体性感覚時間弁別課題を用いて感覚機能を評価した.いずれの実験も、中等度運動条件 (50%VO2peak, 20min)、低強度運動 (30%VO2peak, 30min)、コントロール (座位安静, 30min)の条件で行った.介入の前、5分後、20分後、40分後、60分後にPPIの計測、もしくは感覚課題を実施した.実験2では、これら3条件に先行し、課題の練習のみ行うFamiliarizationの試技を実施した.
  • 結果:実験1により、中等度運動の20分後にPPI_30msによる抑制が有意に低下した.実験2では、Familiarizationでの課題学習効果が練習の3セット目まで生じる傾向が確認された.
  • 結論:中等度運動後にS1の活動が変化することを明らかにした.今後は、運動実施が感覚機能を高めるかどうか、そして、運動によるPPIの変化と感覚機能の変化に関係があるかどうかについて随時検討を進める.

 

【文献抄読】

担当:山代

タイトル:No Modulatory Effects when Stimulating the Right Inferior Frontal Gyrus with Continuous 6Hz tACS and tRNS on Response Inhibition: A Behavioral Study

出典:Brauer et al. Neural Plast. 2018 Oct 23;2018:3156796. doi: 10.1155/2018/3156796. eCollection 2018.

  • 目的:tACSとtRNSを用いて反応抑制行動を強化できるか否かを検討することを目的とした.
  • 方法:被験者は23名とし,sham(偽刺激)、tACS、tRNSの3つの刺激を使用した.刺激中(during)と刺激後(after)の効果について比較した。刺激時間は20分とし,刺激部位はFC4としリファレンスはFpzとした.それぞれのエラー率,反応時間,IES(反応時間/正答率)を評価した.また、不快感などに関して質問紙調査を行った.
  • 結果:エラー率,反応時間,IESに有意な差を認めなかった.また,質問紙に対する回答においても有意な差を認めなかった.このことから被験者には刺激の区別をされることなく刺激ができていたことが示された.
  • 考察:全ての条件で刺激の効果を認めなかった背景には刺激部位,刺激周波数などについてより詳細な検討が必要である.しかしながら,本研究は今後の研究に重要な示唆を与える研究である.