9/12 勉強会

研究報告

担当:佐藤(学会発表の予演)

論文:”浸水が長潜時体性感覚誘発電位に与える影響”

  • 目的;本研究では,体性感覚情報処理過程において,刺激認知に関与するとされる体性感覚誘発電位の長潜時成分に
    焦点を当て,浸水による影響を検証した.
  • 方法;成人男性7名を対象に,浸水および非浸水環境において,体性感覚誘発電位を測定した.
  • 結果;浸水条件において,P250の振幅が,陸上条件と比較して有意に増大した.また,P100(Fz)の振幅が浸水
    条件において陸上条件と比較して有意に増大した.
  • 考察;浸水条件における振幅の増大には,passive attentionの増大(Kida et al., 2004),注意資源配分の増大
    (Kok et al., 1997),浸水によって生じた一次体性感覚野の活動からのtop-down制御(Nakata et al., 2003)に
    関与している可能性がある.本研究の結果は,浸水による求心性入力が,体性感覚刺激の認知過程に影響を与える
    可能性を示すものであるが,そのメカニズムについては今後更なる検討が必要である.

 

文献抄読

担当:椿

論文:” The distribution of blood flow in the carotid and vertebral arteries during dynamic exercise in humans”
Sato K et al., J Physiol 589.11 (2011) 2847–2856

  • 目的;運動強度を増加させたときの頭部や脳への血流変化を明らかにすることを目的に実施した.
  • 方法;healthy non-athletic subjects 10名(5 men and 5 women)に対し,40%- 60%- 80%VO2peakの運動を行わせた.
  • 結果;内頸動脈・中大脳動脈の血流量は40%- 60%VO2peakまでは上昇したが,80%VO2peakでは安静時に近い血流量
    であった.外頸動脈の血流量は,60%- 80%VO2peakで急激に増加した.
  • 考察;内頸動脈と外頸動脈の血流量変化の違いは,血管床の反応の違いによる可能性がある.熱放散による脳や頭部の
    体温調節が優先されることを示唆する結果であった.