4/23 勉強会

【研究報告】

担当:齊藤

タイトル:一次体性感覚野への経頭蓋電気刺激が触覚方位弁別覚に及ぼす影響

  • 目的:一次体性感覚野への経頭蓋電気刺激が触覚方位弁別覚にもたらす効果を明らかにすること.
  • 方法:健常成人17名を対象とし,左一次体性感覚野に対して経頭蓋電気刺激(tDCS,tRNS,tPCS,sham)を10分間与えた.触覚方位弁別覚は異なる幅(3.0〜0.35 mm)の縞が刻み込まれたドーム状の機器を検査指に押し当て,その縞の方向(縦もしくは横)を回答することで評価した.
  • 結果:tRNSおよびtPCSを与えたときに触覚方位弁別覚が向上したが,tDCSおよびshamを与えたときには変化しなかった.
  • 結論:tESが触覚方位弁別覚にもたらす効果はtESの刺激方法によって異なる可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:佐藤

タイトル:Neurofeedback Control of the Human GABAergic System Using Non-invasive Brain Stimulation.

出典:Koganemaru et al. Neuroscience. 2018;380:38-48.

  • 目的:一次運動野の短間隔皮質内抑制(SICI)をターゲットにしたニューロフィードバックによるSICIの調節は可能であるか否かおよび,NF学習でSICIの強化,運動課題の改善は可能か否かを検証すること.
  • 方法:右利き健常成人46名を対象に,Neurofeedback-SICI 10分間を2回実施前後のSICIおよび選択反応課題・ピンチフォースを評価した.Neurofeedback-SICIでは,SICIの程度を円の大きさでフォードバックした.対象者は,円を縮小させるよう指示された.
  • 結果・考察:Neurofeedback-SICIのトレーニングによって,① トレーニング中のSICIが強化され,② トレーニング後においてもState-dependentにSICIが強化でき,③ 左手の選択反応時間が早くなる(右手は変化なし)ことが示された.ニューロフィードバック学習で状態依存的にSICIを調整できるなら,投薬より使いやすく,新たな治療法として応用できる可能性がある.