2/12 勉強会

【研究報告】

担当:高林

タイトル:大学生男女におけるArch height indexの基準値

  • 目的:本研究は大学生男女におけるArch height indexの基準値を作成することを目的とした.
  • 方法:対象は健常男性55名,女性55名(計110足)とした.Arch height index measurement systemを用いて,対象者の体重の10%,50%, 90%荷重時のAHIを測定した.AHIは足長(踵後縁から足趾末端)の50%地点の足背の高さ(DAH)を切頂足長(踵後縁から第一中足指節関節中心;TFL)で除して算出した.なお,この値が低いほど扁平足に近づくことを意味する.対応のないt検定を用いて,測定したAHI,DAH,TFLを男女間で比較した.有意水準は1%とした.
  • 結果:男性のAHI,DAH,TFLと比較して,女性のAHIとDAH,TFLは全荷重条件で有意に低値を示した(p < 0.01). さらに,本研究のAHIは先行研究で報告されているAHIの基準値とも異なっていた.
  • 結論:本研究より,扁平足や凹足を評価する場合,人種に特異的かつ男女別でのAHIの基準値を用いる必要性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:柳

タイトル:Lateral trunk lean and medializing the knee as gait strategies for knee osteoarthritis.

出典:Gerbrands et al. Gait Posture. 2017;51:247-253.

  • 目的:(1)内側型変形性膝関節症患者の歩行中のMedial ThrustまたはTrunk Leanが膝関節内反モーメント(EKAM)に与える影響について検討.(2)各条件の股関節,足関節の動態変化を検討.
  • 方法:内側型変形性関節症を有する30人の患者に対し3次元動作解析による歩行分析を行った.参加者は快適な固有歩行を行った後に,2つの歩行戦略(トランク・リーンおよびメディアル・スラスト)をランダムな順序で口頭で指示を受けた.その際の歩行中のEKAMのピークとインパルスについて検討を行った.
  • 結果:立脚初期時のEKAMピークは,Medial Thrust中に有意に減少(-29%)し,Trunk Lean時には,初期および後期の立脚期中にEKAMピークおよびEKAMインパルスが有意に減少(それぞれ38%,21%,及び-25%)した.被験者の79%においてTrunk Lean条件は,EKAMピークをMedial Thrustよりも有意に低減する効果が有意に高かった.また,EKAMピーク時の股関節伸展及び内転・膝関節屈曲・足関節背屈及び底屈モーメントに有意差はなかった.
  • 結論:各条件の歩行戦略は内側型変形性関節症患者の歩行中のEKAMを減少させた.これらのことは歩行中の膝関節への負荷を低減するために不可欠であるとともに隣接関節への負荷に対する考慮も必要である.