11/6 勉強会

【研究報告】

担当:森下

タイトル:がんサバイバーと健常者間のバランス機能の差異につい

  • 目的:がんサバイバーと健常者間でバランス機能にどのような差があるかを調査すること
  • 対象:2017年8月にリレーフォーライフに参加した、がんサバイバー19名と年齢および性別をマッチさせた健常者14名
  • 方法:がんサバイバーと健常者に対し、握力、膝伸展筋力、Timed Up and Go test (TUG)、重心動揺検査を行い、比較検討した。
  • 結果:1.がんサバイバーと健常者間で握力と膝伸展筋力に差はなかった
    2.がんサバイバーは健常者間に比べ、TUG時間が長かった
    3.閉眼及び開眼の状態で、がんサバイバーの重心動揺は健常者に比べ悪化していた
  • 結語:がんサバイバーのバランス機能は潜在的に低下している可能性がある
  • 今後の課題:がんサバイバーに携わる医師や療法士および看護師はこれらのことを念頭に置き、がんサバイバーに対する自主運動プログラムを作成する必要がある

 

【文献抄読】

担当:高橋

タイトル:Transient receptor potential ankyrin 1 (TRPA1) is functionally expressed in primary human osteoarthritic chondrocytes

出典:Nummenmaa et al. Arthritis Res Ther. 2016; 18: 185.

  • 目的:ヒトOA軟骨細胞において,①TRPA1発現と②TRPA1が炎症および軟骨破壊へ関与しているかについて検証する.
  • 方法:ヒトOA培養軟骨細胞に対し,炎症性サイトカイン(IL-1βなど)によるTRPA1発現をmRNA・タンパクレベルで定量化した.次に,同様の細胞対し,Ca2+流入測定を実施した.また,IL-1β暴露後の異化や炎症へのTRPA1関与を検証するため,ヒト軟骨細胞に対しTRPA1阻害剤を投与しMMPなどの検証を行った.類似の実験をTRPA1 ノックアウトマウスを用いて検証した.
  • 結果:IL-1βなどの刺激により,TRPA1の有意な発現増大を認めた.TRPA1のCa2+流入機能に関しては,アゴニスト刺激で流入が増大し,阻害剤により減衰した.また,IL-1β刺激後に上昇するMMPなどは,TRPA1を阻害することにより有意に減少した.
  • 結論:ヒト軟骨細胞においても,TRPA1が発現・機能していることが明らかとなった.