8/28 勉強会
【研究報告】
担当:小島
タイトル:体性感覚入力方法の違いが皮質脊髄路興奮性に及ぼす影響
- 目的:体性感覚刺激である電気刺激や機械的触覚刺激を示指先端に与えることにより,刺激から20-30 ms後に大脳皮質一次体性感覚野が著明に活動し,両刺激によって誘発される皮質活動パターンは類似している(Onishi, et al., 2013).そこで本研究では,電気刺激または機械的触覚刺激の刺激方法の違いおよび刺激列が皮質脊髄路の興奮性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
- 方法:対象は健常成人13名であった.皮質脊髄路興奮性の指標には,経頭蓋磁気刺激(TMS)により誘発される運動誘発電位(MEP)を用いた.体性感覚刺激には電気刺激および機械的触覚刺激の2種類を用い,刺激部位は右示指先端とした.電気刺激はring電極を用い,刺激強度は感覚閾値の3倍とした.機械的触覚刺激は点字様の刺激ピンを4ピン使用し,ピン突出時間は1 msとした.各体性感覚刺激の刺激列は4条件(1発,2発,3発,4発)とし,連発刺激の刺激間隔は50 msとした.各刺激列の最終刺激とTMSの刺激間隔は27 ms(電気刺激時)および30 ms(触覚刺激時)に設定し,TMS単発を含めた各5条件(電気刺激4条件または機械的触覚刺激4条件)の刺激をランダムに行い,各15波形のMEPを記録した.
- 結果:電気刺激条件では,TMS単発時に比べ全ての刺激列において有意に小さな値を示した.一方,触覚刺激条件において,2連発時はMEP振幅値が有意に小さな値を示したが,4連発時はMEP振幅値の有意な増大が認められた.
- 結論:この結果から,電気刺激と触覚刺激による効果は異なる神経回路が関与する可能性が示唆された.
【文献抄読】
担当:高林
タイトル:Rear foot kinematics when wearing lateral wedge insoles and foot alignment influence the effect of knee adduction moment for medial knee osteoarthritis.
出典:Sawada et al. Gait Posture. 2017;57:177-181.
- 目的:本研究はKnee OAを正常足と扁平足と凹足に分類して,外側ウェッジの即時効果はfoot typeによるのか検証した.
- 方法:対象は内側型Knee OA 21名を対象とし,foot posture indexにて正常足群,足部変形者群(扁平足・凹足)に分類した.課題は裸足と外側ウェッジの2条件で快適速度での歩行とした.解析項目は外部膝内反モーメント,膝関節中心-床反力のレバーアーム,COP offsetとした.
- 結果:正常足群では外側ウェッジを着用すると外部膝内反モーメント,膝関節中心-床反力のレバーアームが減少し,COP offsetは増加していた.一方,足部変形者群では外側ウェッジを着用しても上記のパラメーターに変化はなかった.
- 結論:外側ウェッジを使用するときは足部アライメントを評価することが重要であることが示唆された.