5/29 勉強会

【研究報告】

担当:能村

タイトル:補足運動野に対する経頭蓋直流電流陽極刺激が健常高齢者の先行随伴性姿勢調節に及ぼす影響

  • 目的:健常若年成人と健常高齢者の先行随伴性姿勢調節を比較する.
  • 方法:上肢挙上運動の主動作筋である三角筋前部と姿勢調節筋である同側大腿二頭筋の活動を表面筋電図にて記録し,主動作筋に対する姿勢調節筋の先行活動時間差を⊿EMG onsetとして定量評価した.
  • 結果:健常高齢者では健常若年成人と比較して⊿EMG onset時間が有意に遅かった.
  • 今後の課題:健常高齢者の補足運動野に経頭蓋直流電流陽極刺激を実施し,刺激前後における⊿EMG onsetと運動パフォーマンスを比較する.

 

【文献抄読】

担当:早尾

タイトル:Regional adaptation of collagen in skeletal muscle to repeated bouts of strenuous eccentric exercise

  • 目的:反復試行効果(RBE)モデルの損傷領域を対象に,損傷筋線維とHSP72,Ⅰ型コラーゲンの変化を調査し,RBEと関連する要因を検討した.
  • 方法:雄性Wisterラット 16匹を対象とし,Single injury群(SI),Repeated injuries群(RI)を設けた.SI群では14週齢時に腓腹筋に対して伸張性収縮誘発性筋損傷(ECs)を実施し, RI群では10週齢と14週齢時にECsを実施した.両群において足関節torqueの計測を行い,組織形態計測としてEvans blue dyeの投与,Ⅰ型コラーゲン,HSP72,MHCの免疫染色を実施した.生化学計測ではウエスタンブロッティングによりHSP72と総コラーゲンを計測した.
  • 結果:損傷筋線維数はSI群と比較してRI群で有意に低値を示した.SI群では主に表層領域のⅡx及びⅡb筋線維損傷が認められ,RI群ではⅡa筋線維の有意な増加が認められた.HSP72と総コラーゲンはRI群で有意に高値を示し,Ⅰ型コラーゲンの発現はRI群の表層領域において著明な発現が認められた.
  • 結論:本研究では,筋損傷領域においてはコラーゲンがRBEの重要な役割を担うことが示唆された.