3/13 勉強会
【研究報告】
担当:田巻
タイトル:筋収縮を用いた骨(組織・細胞)への力学的刺激
- 目的:メカニカルストレスは骨の健康(bone health)に寄与する大きな因子である。骨に機械的荷重を与える方法は種々あるが、本研究では筋収縮による骨への力学的刺激が、萎縮過程にある骨組織の骨量や骨強度の低下軽減に及ぼす効果を検証した。
- 方法:除神経した下肢不動ラット前脛骨筋(TA)に低頻度電気刺激誘発性筋収縮(ES)を起こし、1週間処方した。TAの筋重量、筋線維横断面積(FCSA)を計測し、脛骨のマイクロCT撮影、骨密度測定(BMD)、骨破断強度試験、骨組織免疫染色により、骨強度について骨量、骨質、骨構造の観点からESの効果を評価した。
- 結果:除神経によりTA筋重量、FCSAは低下したが、ESにより低下が軽減した。また脛骨においても、骨量、骨梁微細構造、骨破断強度、BMD、骨細胞によるimmunoreactivity (DMP-1)の不動による低下をESで軽減した。これらの効果は機械伸展活性化(SA)イオンチャネルの阻害により減弱した。
- 結論:低頻度電気刺激誘発性筋収縮の処方は、不動初期の骨格筋および骨組織の萎縮や脆弱化を軽減し、その効果はSAチャネルを介して発現している可能性が推察された。