2/27 勉強会

【研究報告】

担当:柳

タイトル:立位姿勢時の体幹アライメントが歩行中の運動学的因子に及ぼす影

  • 目的:体幹の傾斜が歩行動作に及ぼす影響を運動学的に分析することである.
  • 方法:健常成人に異なる体幹の傾斜(固有,体幹前傾10°,体幹後傾10°)で歩行させ,3次元動作解析装置を用いて動作を計測.またフォースプレートを用いて床反力を計測.
  • 結果:体幹前傾および後傾歩行では,姿勢変化による身体重心位置の変化に対応するための下肢の代償運動が見られる.
  • 結論:本来の正常歩行に比べると,体幹前傾歩行では立脚期前半で体幹の前傾姿勢を保持しながら支持脚を後方へswingするため,股関節伸展トルクが大きく,体幹後傾歩行では立脚期後半で体幹の後傾姿勢を保持するため,股関節屈曲トルクが大きくなると示唆される.
  • 今後姿勢変化の分類を詳細にしていきながら歩行パターンの変化を見ていく.

 

【文献抄読】

担当:中村(絵)

タイトル:Differences in humeral retroversion in dominant and nondominant sides of young baseball players

 

要旨

  • 目的:野球選手において左右の上腕骨後捻角が異なることが報告されているが,いつから左右差が生じているのは明らかでない.学童少年野球選手において,投球側と非投球側における上腕骨後捻角の左右差が,いつ頃から生じているのかを明らかにすることを目的とする.
  • 方法:メディカルチェックに参加した学童少年野球選手に対して,超音波画像診断装置を用いて上腕骨の捻じれ角(Bicipital-forearm angle)を測定し,学年,野球歴との関連を検討する.
  • 結果:非投球側では学年があがるにつれ,捻じれ角は増大するが,投球側では異なる結果となった.投球側では,3年生までは左右差が認められず,4年生以降で投球側と非投球側に有意な差が認められた.
  • 結論:上腕骨の後捻は非投球側では年齢とともに減少するが,投球側では投球時の機械的ストレスにより,後捻減少が抑制されている可能性が示唆された.また,左右差は4年生頃から出現することが示された.