2/20 勉強会

【研究報告】

担当:早尾

タイトル:伸張性筋収縮による筋線維膜透過性亢進並びに筋収縮張力低下とその反復効果

  • 目的:2週の間隔を設けてのsecond bout介入による反復効果及びsecond bout介入直前の筋損傷回復過程検討を目的とした.
  • 方法:Fischer系雄性ラット32匹を対象に実験を行った.伸張性筋収縮(ECC)処置の第1 boutの前後(Cont及びpost-ECC1st群),及び2 boutの前後(pre-ECC2nd群及びpost-ECC2nd群)に相当する4群を設けた.筋損傷を誘発するためのECCは左前脛骨筋(TA)へ経皮的直接電気刺激により足関節の背屈を起こし,この時他動的に足関節を底屈するTAのECCを合計80回行った.TAの最大筋収縮張力及びEBD+筋線維数を計測した
  • 結果:EBD+線維はpre-ECC2nd群ではほとんど観察されず,post-ECC2nd群ではpost-ECC1st群と比較して有意に低値を示した.最大筋収縮張力はCont群,pre-ECC2nd群に対する低下率は,それぞれpost-ECC1st群よりpost-ECC2nd群で小さかった.
  • 結論:本研究では1度目のECCから2週間後には,EBD+筋線維数は少なく,最大筋収縮機能は88%回復することが示された.ECC実施による筋線維膜透過性の亢進及び筋収縮張力の低下はsecond boutの方が小さく,反復効果が認められた.

 

【文献抄読】

担当:能村

タイトル:Enhancement of anticipatory postural adjustments in older adults as a result of a single session of ball throwing exercise

要旨

  • 目的:高齢者に対するボール投げ訓練は,先行随伴性姿勢調節(APAs)の生成に対する即時効果があるのかを検討した.
  • 方法:高齢者9名(男性4名,女性5名)を対象とし,メディシングボールを使用したボール投げ訓練を実施した.振り子衝撃と上肢拳上の運動タスクにおける体幹・下肢の姿勢調節筋活動を表面筋電図,足圧中心位置を床反力計にて記録し,訓練前後にて比較した.
  • 結果:訓練後には振り子衝撃と上肢拳上の運動タスクともに体幹・下肢筋の放電開始時間が有意に早くなった.足圧中心位置の変化は認められなかった.
  • 結論:高齢者に対するボール投げ訓練によってAPAsが強化されることが示唆された.