12/19 勉強会

【研究報告】

担当:佐藤

タイトル:「泳げる」ヒトの脳内表象から水の特性を探る

  • 目的:「泳げる」ヒトの大脳皮質一次運動野における抑制機能を明らかにする.
  • 方法:大学競泳選手および一般大学生を対象に,二連発経頭蓋磁気刺激法(ppTMS)を用いて,一次運動野の抑制機能を評価した.実験条件は,浸水および非浸水条件とし,浸水部位は右前腕部とした.評価項目は,RMT,AMTおよび短間隔皮質内抑制(SICI)とした.運動誘発電位の導出筋は,FDI筋とした.
  • 結果:競泳選手において,非浸水条件と比較して,浸水条件で有意なSICIの増強が確認された.一方,一般大学生では,両条件間に有意な差は認められなかった.
  • 結論:競泳選手では,水中環境においてexperiment-dependentな可塑的変化が生じている可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:中村

タイトル:Changes in stiffness of the dorsal scapular muscles before and after computer work: a comparison between individuals with and without neck and shoulder complaints

  • 目的:首や頸部に愁訴を訴えている人と訴えていない人を対象にコンピューターワーク前後の肩甲骨周囲の筋肉の硬さの変化を比較すること.
  • 方法:30名の対象者を首や頸部に愁訴を訴えている18名(患者群)と訴えていない人を12名(コントロール群)に群別けを行い,30分間のコンピューターワーク前後の僧帽筋上部線維,肩甲挙筋,大菱形筋の筋硬度を測定した.
  • 結果:コントロール群と比較して患者群では僧帽筋上部の筋硬度が有意に高値を示した.またコンピューターワーク前後ではコントール群に変化はなかったが,患者群では肩甲挙筋の筋硬度が有意に増加した.
  • 結論:首や頸部に愁訴を訴えている人は僧帽筋上部が硬くなっており,コンピューターワークによる肩甲挙筋の硬さの変化が重要である可能性がある.