10/31 勉強会

【研究報告】

担当:中川弘

タイトル:伸張性筋収縮の反復試行の実施間隔が膜透過性を認める筋線維へ与える影響

  • 目的:伸張性筋収縮(ECC)実施間隔の違いが膜透過性の亢進を認める筋線維の数へ与える影響を検討することを目的とした.
  • 方法:F344系雄性ラットを用い,16週齢時にサンプリングを実施した.1度目のECC後1,2,4週間後にSecond boutを行った.前脛骨筋横断面におけるEvans blue(+) 筋線維を全てカウントし各群で平均値を算出した.
  • 結果:EBD(+)筋線維は1度目のECCで増加し,Second boutを行った群では1度目のECC時より減少していた.4週間後にScond boutを行うより1または2週間後にSecond boutを実施した群でEBD(+)筋線維は減少していた.
  • 結論:EBD浸潤線維に対する軽減効果はSecond boutを実施する間隔が4週間空けた場合でも継続するが,1週間もしくは2週間の間隔で介入を実施した際より減弱する可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:小島

タイトル:Modulation of sensorimotor cortex by repetitive peripheral magnetic stimulation

要旨

  • 目的:本研究の目的は,20分間の末梢反復磁気刺激(rPMS)が感覚運動領野の興奮性に及ぼす影響を明らかにすることであった.
  • 方法:本研究は,TMS実験とfMRI実験を行った.TMS実験の被検者は,健常成人12名であった.rPMSは,運動閾値の150%の強度で10秒on,10秒offのサイクルで20分間行った.介入条件は,手関節筋群への10Hz刺激(HAND10),手関節筋群への25Hz刺激(HAND25),下腿筋群への25Hz刺激(LEG25)の3条件とした.評価項目は,TMSによるrecruitment curve(100%RMT-160%RMT)とSICI(刺激間隔:3 ms)およびICF(刺激間隔:13 ms)とし,導出筋は橈側手根屈筋とした.記録条件は,介入前,介入直後,介入30分後,介入1時間後,介入2時間後とした.fMRI実験の被検者は30名(刺激あり群:15名,刺激なし群:15名)であった.刺激あり群には,TMS実験のHAND25条件のrPMSを実施した.評価項目は,fMRIを用いて,母指タッピング運動時の大脳皮質活動を介入前,介入直後,介入1時間後に記録した.
  • 結果:TMS実験では,HAND25の介入によりrecruitment curveの増大,SICIの減弱,ICFの増大が認められた.一方,fMRI実験では,刺激なし群に比べ刺激あり群では,介入後の一次運動野および一次体性感覚野の活動が有意に増大した.
  • 結論:rPMSによる介入は,皮質脊髄路および大脳皮質活動を増大させることが明らかとなった.