2016年8月4日~6日に, The 10th ICME International Conference on Complex Medical Engineeringが栃木で開催され,小島 翔助手(理学療法学科,運動機能医科学研究所)がOrganizerとして学会に参加し,「Best Paper Award」を受賞しました.
発表内容は,下記の通りです.
【演者】
Sho Kojima, Hideaki Onishi, Shota Miyaguchi, Shinichi Kotan, Kazuhiro Sugawara, Hikari Kirimoto, Hiroyuki Tamaki
【タイトル】
Effects of cathodal transcranial direct current stimulation to primary somatosensory cortex on short-latency afferent inhibition
【要旨】
本研究は,大脳に微弱な電流を流すことで,大脳の興奮性を変動させることが可能な‘経頭蓋直流電流刺激(tDCS)を用いて行いました.このtDCSは,比較的簡便に大脳の興奮性を変えることができる手法として,リハビリテーション分野への応用が考えられており,運動機能や感覚機能に対する効果等が明らかにされています.そこで今回の実験では,tDCSが手に対する感覚入力に応答した大脳の興奮性に与える影響を検討しました.その結果,感覚を司る領域に対するtDCSにより,感覚入力に応答した大脳の興奮性が変動することが明らかとなりました.
【受賞のコメント】
この度,このような名誉ある賞を受賞させていただき,大変光栄に存じます.
今回の発表は,英語でのプレゼンテーションであり,これまでの学会発表とは異なり,多くのことを学ぶことができました.リハビリテーションの分野では,患者様に提供するリハビリが科学的根拠に基づいていることが重要であると考えられており,本研究は,感覚入力に対する大脳の興奮性の変化を明らかにすることで,感覚と運動の関連を明らかにする一助となると考えられます.今回受賞したことを励みに,更なる研究成果を国際的に発信していけるよう取り組んでいきたいと思います.
【原著論文】
Kojima S, Onishi H, Miyaguchi S, Kotan S, Sugawara K, Kirimoto H, Tamaki H. Effects of cathodal transcranial direct current stimulation to primary somatosensory cortex on short-latency afferent inhibition. Neuroreport. 2015 Aug 5;26(11):634-7. doi: 10.1097/WNR.0000000000000402.