5/30 勉強会

【研究報告】

担当:山﨑

タイトル:一過性の低強度有酸素性運動が空間記憶に与える影響 –fNIRSを用いた検討-

要旨

  • 目的:一過性の低強度有酸素性運動が空間記憶を改善するかどうか、近赤外線分光法(fNIRS)を用いて明らかにすることを目的とした.
  • 方法:成人男女14名を対象に30%VO2peakで10分間のペダリング運動を実施した.運動前、運動5分後、30分後に空間記憶課題(1-dot,3-dot)をおこなった.運動中、空間記憶課題中にfNIRSにより前頭前野の血流動態を観察した.
  • 結果:運動5分後に1-dot条件での反応時間が短縮した.一方、3-dot条件では反応時間は変化しなかった.課題中のfNIRS反応は運動30分後で上昇傾向が見られたが、反応時間の変化と関連はなかった.
  • 結論:一過性の低強度有酸素性運動により空間記憶課題は選択的に改善した.しかし、fNIRS反応との関連は見られなかった.

 

【文献抄読】

担当:中川

タイトル:The effect of endurance training and downhill running on the expression of IL-1β, IL-6, and TNF-α and HSP72 in rat skeletal muscle

要旨

  • 目的:継続的な運動と1回のダウンヒルランニングを組み合わせた際の骨格筋における炎症性サイトカイン(IL-1β,IL-6,TNF-α),HSP72の反応を検討する.
  • 方法:対象は8週齢Wister系雄性ラットを用いた.トレッドミルによる持久的運動を8週間行う群(Trained),持久的運動の後にダウンヒルランニングを行う群(Trained+Downhill),8週間の通常飼育の後にダウンヒルランニングを行う群(Sedentary+Downhill),介入を行わない群(Sedentary)を設けた.骨格筋におけるIL-1β,IL-6,TNF-α,HSP72のタンパク量および血中CK濃度を計測した.
  • 結果:Sedentaryに比べ他の群ではSOL,EDLともに有意に高値を示した.IL-1β及びIL-6はTraind+Downhillで最も高値を示した.HSP72,CKはTrained,Trained+DownhillではSedentary+Downhillより発現が抑えられていた.
  • 結論:IL-1βおよびIL-6は継続的な運動の後にダウンヒルランニングを行うと非常に高値を示した.継続的な運動を行うことでダウンヒルランニング後のHSP72発現量,血中CK増加が抑えられていた.