4/4 勉強会

【研究報告】

担当:齊藤

タイトル:経頭蓋磁気刺激と末梢電気刺激のペア刺激が皮質脊髄路の興奮性変化に及ぼす影響

要旨

  • 目的:末梢電気刺激と対側大脳半球への経頭蓋磁気刺激を組み合わせたペア刺激が皮質脊髄路の興奮性に及ぼす影響を検証すること.
  • 方法:健常成人16名を対象に,経頭蓋磁気刺激と末梢電気刺激のペア刺激を実施し,経頭蓋磁気刺激法による運動誘発電位(MEP)の変化を観察した.ペア刺激は右正中神経への電気刺激と対側一次運動野への経頭蓋磁気刺激の組み合わせとし,その刺激間隔(ISI)を21.5ms,25ms,N20潜時+1.5ms,N20潜時+5msの4条件とした.MEP計測はペア刺激前,5秒後,10秒後,20秒後に実施した.
  • 結果:ISI=21.5msおよびN20潜時+1.5msのペア刺激はMEPを増大させるが,ISI=25ms,N20潜時+5msのペア刺激はMEPを減少させた.
  • 結論:経頭蓋磁気刺激と末梢電気刺激のペア刺激の効果はISIに応じて変化する可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:犬飼

タイトル:

Efficacy of Anodal Transcranial Direct Current Stimulation is Related to Sensitivity to Transcranial Madnetic Stimulation

要旨

  • 目的:近年,効果のバラツキが指摘されているAnodal tDCSの効果とTMS感受性との関係を検証すること.
  • 方法:36名のtDCS後のMEPの振幅値の変化を,TMS感受性の高いグループ,低いグループに分け検討を行った.各グループ分けはMEP誘発時(1mV)のTMS強度の中央値を基準に2グループに分けた.
  • 結果:TMS感受性の高いグループでは,感受性の低いグループよりAnodal tDCSの効果が大きいことが確認された.
  • 結論:現在,tDCSは被験者に統一した刺激強度によって施行されているが,TMS感受性を一つの指標として各被験者毎に刺激強度を変更していく必要があることが示唆された.