2/29 勉強会

【研究報告】

担当:高林

タイトル:ランニング時における後足部,中足部,前足部間の協調性パターンの定量化

要旨

  • 目的:ランニング中における後足部,中足部,前足部間の協調性パターンを定量化し,障害発生メカニズムを把握するためのPreliminary dataとすることを目的とした.
  • 方法:対象は健常成人男性11名とした.対象者はトレッドミル上でランニング動作を10回行った.反射マーカー位置より各足部セグメントの回内/回外角度を算出した.協調性パターンの定量化にはmodified vector coding techniqueを用いて,4つのパターンに分類した.
  • 結果:後足部-中足部の協調性パターンは吸収期でIn-phase(後足部と中足部が同程度の運動量で回内),推進期は中足部-phase(中足部が主に回外)が加わっていた.中足部-前足部の協調性パターンは吸収期と推進期でIn-phase(中足部と前足部が同程度の運動量で回内/回外と中足部-phase(中足部が主に回外/回外)が占めていた.
  • 結論:本研究において,ランニング時は中足部の動きが重要な役割を果たしていることがわかった.本研究は足部変形疾患患者やランニング障害を有している対象者と比較できるPreliminary dataに成り得る.
  • 今後:足部接地方法を変えた際の協調性パターン,扁平足の協調性パターンを検証していく予定である.

 

【文献抄読】

担当:下門

タイトル:Exploring the reciprocal modulation of time and space in dancers and non-dancers

要旨

  • 背景:ヒトの脳内において時間と空間は共通の韻律システムによってコード化される。このため、空間と時間の情報処理の相互作用が見られる。時間と空間の情報処理をトレーニングしたダンサーは、これが優れているものと思われる。
  • 目的:ダンサーと非ダンサーに空間と時間タスクを行わせ、空間と時間の情報処理の相互作用を明らかにする。
  • 方法:13名のダンサーと15名の非ダンサーに、スクリーン上に出現する一本線を注視してもらい、その長さの違い(8cm, 12cm, 16cm)、提示時間の違い(1600ms, 2400ms, 3200ms)が、その後に伸長していく線を二等分(直前に提示された一本線の距離を二等分、提示時間を二等分)する課題へ影響するか調べた。
  • 結果:ダンサーは時間タスクにおいて、二等分するべき箇所よりも時間が速くなっていた。
  • 結論:空間と時間を処理する日々のトレーニングによって、ヒトの時間知覚の感覚運動要素に影響する可能性が示唆された。