12/14 勉強会
【研究報告】
担当:下門
タイトル:水中ドルフィンキック中の泳者後方における流れ場の3次元構造
要旨
- 背景・目的:競泳の水中ドルフィンキックは泳タイム短縮に貢献できる泳技術として近年着目されているがその推進機序は不明で、推進泳者周りの流れに推進能力が反映される可能性が指摘されている。また、その流れを3次元化した研究は行われていない。水中ドルフィンキック中の泳者後方の流れ場を3次元構造化し、推進時の特徴を調査する。
- 方法:2名の泳者(エリートと標準レベル)に、回流水槽にて水中ドルフィンキックで泳いでもらい、粒子画像流速測定法(PIV法)を用いて、泳者後方の横断面の流れ場の画像を得た。
- 結果:標準的な泳者に比べてエリート泳者はけり上げ動作後に渦対を形成している様子が観察された。
- 結論:速い泳者ほど、渦を形成する能力も優れている可能性が示唆された。
【文献抄読】
担当:齋藤
タイトル:Rapid-rate paired associative stimulation over the primary somatosensory cortex
要旨
- 目的:一次体性感覚野(S1)に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)と末梢電気刺激を組み合わせたrapid-rate paired associative stimulation (rPAS)が体性感覚誘発電位(SEP)と2連発SEP,運動誘発電位(MEP),短潜時求心性抑制(SAI)に及ぼす影響を検証する.
- 方法:健常成人12名を対象に,S1に対するrPASを実施した.TMSと電気刺激の刺激間隔(ISI)はN20潜時,N20潜時+2.5ms,N20潜時-5msの3条件とし,その2つのペア刺激同士の間隔は200msとした.MEPおよびSAI計測はrPAS前,rPAS後5分,25分,45分に実施し,SEPおよび2連発SEPはrPAS前,rPAS後45分に実施した.
- 結果:ISI=N20潜時について,刺激後45分でMEP増大とSAI減弱が生じた.ISI=N20潜時-2.5msについて,刺激後5分,45分でMEP増大とSAI減弱,2連発SEP増大が生じたが,SEPは変化しなかった.ISI=N20潜時+2.5msについて,刺激後45分でMEP増大が生じたが,SAI,SEP,2連発SEPは変化しなかった.
- 結論:S1に対するrPASの効果はISIによる修飾を受ける.