田巻らの論文がJournal of Musculoskeletal and Neuronal Interactions誌に受理されました

Authors: Tamaki H, Yotani K, Ogita F, Sugawara K, Kirimto H, Onishi H, Kasuga N, Yamamoto N

Journal: Journal of Musculoskeletal and Neuronal Interactions

Title: Effect of electrical stimulation-induced muscle force and streptomycin treatment on muscle and trabecular bone mass in early-stage disuse musculoskeletal atrophy.

概要:不動によって筋量と同様に骨量も低下しますが,電気刺激で筋収縮を起こす処置を1週間実施すると筋量だけでなく骨量の低下も軽減する効果があります.今回実験動物を用いて,この効果が「筋収縮による力学的ストレス」に起因することを,機械的ストレスで反応するチャネルを阻害することで検証しました.

 

【要旨】

  • 目的:電気刺激誘発性筋収縮により,不動による骨量低下を軽減する効果を検証し,その効果が機械伸展活性化(SA)チャネルの阻害により減弱するか検討した.
  • 方法: 下肢不動モデルラット(DN群)の前脛骨筋に経皮的電気刺激(16mA, 30分/日, 1週間)を与える群(DN+ES群),SAチャネル阻害剤(streptomycin: Str)投与群(DN+ES+Str群,DN+Str群)及び対象群(Cont群)を設けた.脛骨を採取して3次元マイクロCTによる構造解析,骨組織染色を行った.
  • 結果:不動により骨量低下したDN群よりDN+ES群では骨量が有意に(P<0.05)高く,骨梁立体構造も維持され,骨芽細胞による骨形成も高かった.DN+ES+St群ではこれらの効果が半減した.
  • 結論:電気刺激誘発性筋収縮により,不動初期の骨量低下を軽減する効果が示され,その効果は,一部,SAチャネルを介して発現していると推察された.