7/27 勉強会
【研究報告】
担当:高橋
タイトル:変形性膝関節症に対するラパマイシン投与が軟骨細胞アポトーシスに及ぼす影響
要旨
- 目的:変形性膝関節症モデルラット(DMMラット)に対し,mTOR阻害剤であるラパマイシンを投与し,mTORがHIF-2αを介したアポトーシス経路に関与するかについて検証する.
- 方法:Wistar系ラットを対象に,右膝関節にDMM処置,左膝関節に対しSham処置(sham-control)を実施した.mTOR阻害剤であるラパマイシン(1mg/kg/day)を腹腔内に4週間投与した.DMM群(n=6)およびラパマイシン投与群(n=2)はサンプリング後,サフラニンO染色および免疫組織学的検討に供した.
- 結果:組織学的所見の結果では,DMM群の全ての右関節にOAの発症を認めたが,Sham側およびラパマイシン投与群の右膝関節には,OA様の所見は認められなかった.また,免疫組織化学染色(TUNEL)において,DMM群では明らかなアポトーシス陽性細胞を認めたが,ラパマイシン投与群およびsham-control群では殆ど認められなかった.一方,HIF-2αの免疫組織化学染色では,DMM群においても染色性が認められなかった.
- 考察:mTORの抑制により,アポトーシスの発現を抑制したことから,mTORは軟骨細胞の生存に関与することが示唆された.しかし,DMM群において,通常,高発現しているHIF-2αの発現が認められないことについては,技術的なトラブルによるものである.今後は抗原賦活方法や1次抗体の濃度などについて検討し,HIF-2αの関与について詳細に検証していく必要がある.
【研究報告】
担当:犬飼
タイトル:小脳への経頭蓋直流電流刺激が立位姿勢制御に及ぼす影響
要旨
- 目的:小脳への経頭蓋直流電流刺激(tDCS)が立位姿勢制御に影響を及ぼすか否かについて検証することを目的とした.
- 方法:対象は健常成人男性15名.介入前に開眼,閉眼での閉脚立位での重心動揺測定を行い,小脳へのtDCS後に再度同様の条件で重心動揺測定を行った.tDCSの刺激強度は2mA,刺激時間は20分,貼布部位は外後頭隆起の2㎝下方とした
- 結果:開眼条件ではCathodal刺激後に,閉眼条件ではAnodal刺激後に総軌跡長の有意な減少を認めた.
- 結論:小脳へのtDCSは立位姿勢制御に影響を与えることが示唆され,Cathodal・Anodal刺激はそれぞれ異なるメカニズムにより,重心動揺に影響を及ぼすことが示唆された.