小島らの論文がNeuroReport誌に受理されました
Authors: Sho Kojima, Hideaki Onishi, Shota Miyaguchi, Shinichi Kotan, Kazuhiro Sugawara, Hikari Kirimoto, Hiroyuki Tamaki
Journal: NeuroReport
Title: Effects of cathodal transcranial direct current stimulation to primary somatosensory cortex on short-latency afferent inhibition
【要旨】
- 目的:陰極経頭蓋直流電流刺激(transcranial direct current stimulation; tDCS)は一過性に大脳皮質の興奮性を抑制することが可能である.本研究の目的は,一次体性感覚野(S1)への陰極tDCSが短潜時求心性抑制(short-interval afferent inhibition; SAI)に及ぼす影響を明らかにすることとした.
- 方法:対象は健常成人13名であった.陰極tDCSは一次体性感覚野を対象に1mAの強度で15分間実施した.SAI記録時に用いた電気刺激は,右示指先端を対象としring電極を用いて行った.なお,刺激強度は感覚閾値の3倍とした.運動誘発電位(motor evoked potential; MEP)は左一次運動野を対象とした経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation; TMS)による反応を右第一背側骨間筋より記録した.TMSの刺激強度は安静時に1mVのMEPが誘発される最小強度とした.MEPの記録条件は,TMSのみ条件(single)および電気刺激の40ms後にTMSを実施する条件(SAI)とし,tDCS前(pre),tDCS直後(immediately),tDCS終了15分後(post-15 min)に記録を行った.
- 結果:tDCS前後のすべての記録条件(pre, immediately, post-15 min)においてsingleに比べSAI条件時でMEP振幅値が有意に減弱した(SAIが認められた)(p < 0.01).さらに,post-15 min ではSAIによるMEP減少率が小さくなった(脱抑制)(p < 0.05).
- 結論:S1への陰極tDCSはSAIによる抑制作用を減弱させることが明らかになった.