6/22 勉強会

【研究報告】

担当:横山

タイトル:Surface-mappingを用いた肩甲骨の3次元動作解析

要旨

  • 目的:Surface-mapping法(以下SM法)により肩関節外転時の肩甲骨の角度の推定が可能か検証した.
  • 方法:被験者は健常成人男性6名とした.肩関節外転角度10°ごとの静的動作において,肩甲骨5箇所のランドマークを測定した.動的動作は,肩関節外転角度0°から最大外転角度までとし,動的動作時では直径6mmの反射シールを肩甲骨部を覆うように200箇所に貼付した.肩甲骨角度を算出するためにSM法を用いた.同一の肩関節外転角度における,静的動作時と動的動作時の肩甲骨角度を比較した.
  • 結果:肩関節外転0-最大外転角度において被験者6名の二乗平均平方根誤差は,後傾3.64°,上方回旋3.13°,外転3.60°であった.
  • 結論:先行研究と比較しても,5°以内での推定が可能であり,推定値も妥当性の高い値であった.しかしながら肩甲骨後傾角度においては90°以上で誤差が大きくなる傾向であった.

 

【文献抄読】

担当:高橋

タイトル:Local intra-articular injection of rapamycin delays articular cartilage degeneration in a murine model of osteoarthritis

要旨

  • 目的:mTORの選択的阻害剤であるラパマイシン関節内注射により,OAの進行を抑制することができるかを検証した.
  • 方法:マウス(10週齢,雄性,n=40)の右膝関節に対し軟骨変性を惹起するようDMM処置をおこない,左膝関節に対してはSham処置を実施した.その後,細胞無毒性であるDMSO投与群とラパマイシン投与群の2群に振り分け,8週および12週後のサンプルを解析対象とした.評価項目は,組織所見,免疫組織学的検討(p-mTOR, LC3, VEGF, Collagen X, MMP13),mRNA発現レベル(RT-PCR;VEGF, Collagen X, MMP13)とした.
  • 結果:ラパマイシンを投与した結果,組織学的所見では, 軟骨破壊の進行を緩徐にした.また,オートファジーの活性化を有意に認め,血管新生,軟骨石灰化,軟骨基質分解などに関与する各マーカーについては,有意に減少した.
  • 結論:ラパマイシンの関節内投与は,完全に軟骨変性を防止することはできなかったが,副作用は示さずOAの進行を緩徐にした.