3/23 勉強会

【文献抄読】

担当:横山

タイトル:Surface-mappingを用いた肩甲骨の3次元動作解析

要旨

  • 目的Surface-mapping法(以下SM法)により肩関節外転時の肩甲骨の角度の推定が可能か検証した.
  • 方法:被験者は健常成人男性3名とした.肩関節外転角度10°ごとの静的動作において,肩甲骨5箇所のランドマークを測定した.動的動作は,肩関節外転角度0°から最大外転角度までとし,動的動作時では直径6mmの反射シールを肩甲骨部を覆うように200箇所に貼付した.肩甲骨角度を算出するためにSM法を用いた.同一の肩関節外転角度における,静的動作時と動的動作時の肩甲骨角度を比較した.
  • 結果:肩関節外転0-最大外転角度において被験者3名の二乗平均平方根誤差は,後傾2.81°,上方回旋2.61°,外転3.02°であった.
  • 結論:先行研究と比較しても,5°以内での推定が可能であり,推定値も妥当性の高い値であった.

 

【文献抄読】

担当:高林

タイトル:Effects of a 10-week toe-out gait modification intervention in people with medial knee osteoarthritis: a pilot, feasibility study

要旨

  • 緒言:Toe out 歩行は膝関節内側負荷の指標である外部膝内反モーメント(KAM)を減少させることができるが,長期的な介入については検証されていない.
  • 目的:本研究は,Pilot studyとして,10週間のToe out 歩行の介入が実現可能かどうか,またどのようなアウトカムを得ることができるか検証した.
  • 方法:内側型膝OA 15名を対象とした.介入前にToe out角度を測定し,そのベースラインより10°増加させたToe out角度で計6セッションの歩行修正プログラムを実施し,11週目に再評価を行った.評価項目はプログラムの困難さ,WOMACスコア(QOL尺度),NRS(痛み),KAMとした.
  • 結果:プログラムの困難さ,WOMACスコア,NRS,KAMは介入前と比較して有意に軽減した.
  • 結論:本研究の歩行修正プログラムは膝OAに対して実現可能なプログラムであった.本研究より,Toe out 歩行は内側型膝OAに対して有益なアウトカムを得ることができる治療戦略であることがわかった.