1/26 勉強会

【研究報告】

担当:松本

タイトル:外的ペースおよび自己ペース運動時の一次運動野興奮性の変化

要旨

  • 背景:脳イメージング研究において,自己ペース運動と外的ペース運動時の皮質および皮質下の活動はそれぞれ異なることが報告されている.自己ペース運動と外的ペース運動時の一次運動野の興奮性の違いについてはまだ不明な点が多い.
  • 目的:本研究では,経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて,外的ペースおよび自己ペース運動時の一次運動野(M1)興奮性の変化を検証することを目的とした.
  • 方法:右利き健常成人が右示指を用いた自己ペースのタッピング,視覚刺激に誘導されたタッピングをそれぞれ行った.安静時およびタッピング時に左M1へTMSを行い,右第一背側骨間筋から運動誘発電位を記録した.
  • 考察:今後の方針として,単発TMSによる皮質脊髄路の興奮性の評価,2連発TMSによるM1内の皮質内興奮性の評価をしていく.

 

【文献抄読】

担当:山代

タイトル:The effect of motor imagery with specific implement in expert badminton player

要旨

  • 背景:運動技術は運動イメージによって改善される.道具は日常生活や様々なスポーツで幅広く使われている.しかしながら,道具が運動イメージの効果を促進するか否かについては明らかにされていない.
  • 目的:本研究では,バドミントン選手と初心者に道具(ラケット,スティック)を握らせ,運動イメージの効果が異なるか否かについて調査した.
  • 方法:16人のバドミントン選手と初心者にラケットとスティックを握ってもらい運動イメージを行った.そして,運動イメージの質問調査と運動イメージ中の皮質脊髄路の興奮性を評価した.
  • 結果・考察:アスリートはラケットを握った際に初心者よりイメージがしやすいことを報告した.さらに,アスリートにおいてMEP促通の程度と運動イメージ能力には相関があった.このことから,アスリートは道具を用いた長期間のトレーニングにより,道具を利用する際に初心者に比べ運動イメージの効果が増し,皮質脊髄路の興奮性が増すことが明らかになった.