12/15 勉強会

【研究報告】

担当:江玉

タイトル:踵骨を動かした際のアキレス腱線維束に加わる伸張度の違いについて

要旨

  • 目的:本研究は,踵骨を動かした際にアキレス腱(AT)を構成する腱線維束に加わる伸張度を検討することを目的とした.
  • 方法:対象は,我々が先行研究で分類したATの3つの捻れのType(軽度,中等度,重度の捻れ)を1側ずつ(固定遺体3側)使用した.Microscribe装置を使用して,ATを構成する腓腹筋内側頭の停止する線維束(MG),外側頭の停止する線維束(LG),ヒラメ筋の停止する線維束(Sol)の筋腱移行部の最遠位端と踵骨隆起付着部の2点と,踵骨隆起をデジタイズして3D構築した.その後,任意に規定した踵骨隆起の回転中心を基準に作成した絶対座標系の3軸上で踵骨を動かした際の各腱の伸張度(%)をシミュレーションして算出した.解析には,SCILAB-5.5.0を使用した.
  • 結果:どのTypeにおいても踵骨を回内・外方向に動かした際には,Solのみが他の腱線維束とは伸張度が異なった.
  • 考察:踵骨を回内・外した際にはATに加わる伸張度は一様ではない可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:高林

タイトル:The effect of tibial rotation on knee medial and lateral compartment contact pressure

要旨

  • 諸言:脛骨のねじれの程度と膝関節の病理学的な検討は報告されているが,膝OAの病期進行に関与するメカニカルストレスとの検討は明らかとなってない.
  • 目的:本研究は,脛骨のねじれの程度とメカニカルストレスである関節面接触力との関連性を明らかにすることを目的とした.
  • 方法:6体の遺体(左膝)を対象とした.膝蓋骨周辺を切開することで内側および外側脛骨大腿関節を露出し,関節面にフィルムを挿入した.脛骨を中央から骨切りし,脛骨遠位を内外旋させることで脛骨のねじれを作成した.各条件にて足底から圧力をかけ,関節面接触力を計測した.
  • 結果:15°脛骨内旋位では内側コンパートメントの接触力が増加し,15°外旋位では減少した(p <0.05).
  • 結論:本研究において,下腿のねじれの影響を考慮した治療介入が必要であることが示唆された.