11/17 第44回日本臨床神経生理学会予演会

【第44回日本臨床神経生理学会予演会】

担当:大西

タイトル:高頻度条件刺激が体性感覚誘発磁界に及ぼす影響

要旨

  • 目的:正中神経刺激によるSEF波形が,条件刺激の刺激回数および刺激強度にどのような影響を受けるのかを明らかにすることを目的とした.
  • 方法:健常成人男性15名を対象とし,306ch脳磁計を利用して右正中神経刺激時のSEFを計測した.テスト刺激強度を90%運動閾値(MT)して,a)テスト刺激のみ,b)90%MT強度で6連発条件刺激(10ms_ISI)の500ms後にテスト刺激,c)90%MT強度で30連発条件刺激(10ms_ISI)の500ms後にテスト刺激,d)110%MT強度で6連発条件刺激(10ms_ISI)の500ms後にテスト刺激を行う4条件とし,それぞれランダムに200回以上提示した.
  • 結果:N20mおよびP60mはa)条件に比べてc),d)条件で有意に低値を示し,P35mはa)条件に比べて,b),c),d)条件で有意に低値を示した.
  • 結論:条件刺激の刺激回数および刺激強度に応じて,その後に誘発されるSEF波形が変動することが明らかになった.

 

担当:椿

タイトル:定常負荷自転車エルゴメータ駆動中の運動関連領野における酸素化ヘモグロビン濃度の経時的変化

要旨

  • 目的:定常負荷で自転車エルゴメータを駆動したときの運動関連領野における酸素化ヘモグロビン濃度(O2Hb)の経時的変化を測定し,頭皮血流(SBF)および平均血圧(MAP)の変化との関係を明らかにすること.
  • 方法:健常成人9名を対象とし,最高酸素摂取量の50%の負荷量で,20分間の自転車エルゴメータ駆動を行い,その間のO2Hb,SBF,MAPを測定した.関心領域は,前補足運動野,補足運動野,感覚運動野とした.また,SBFおよびMAPとの相関関係をピアソンの相関係数により算出した.
  • 結果:運動開始後のO2Hbの増加は,前補足運動野で8分まで,感覚運動野では4分まで観察された.補足運動野では8分まで増加の後,運動終了まで緩やかに増加した.SBFおよびMAPとの相関関係は,領域や時間により強さが異なっていた.
  • 結論:O2Hbの変化は領域により異なり,SBFやMAPとの相関関係の強さは一様ではないことが明らかとなった.

 

担当:齊藤

タイトル:2連発末梢電気刺激が皮質脊髄路の興奮性変化に及ぼす影響-電気刺激パルス間隔に関する検討-

要旨

  • 目的:2連発末梢電気刺激の刺激パルス間隔が皮質脊髄路の興奮性変化に及ぼす影響を解明すること.
  • 方法:健常成人12名を対象とし,正中神経に2連発末梢電気刺激を与えたときの短母指外転筋と小指外転筋の運動誘発電位(MEP)を経頭蓋磁気刺激法を用いて計測した.このときの電気刺激パルスの間隔(ISI)を2,3,4,5,6,7,10,15,20,30msecとした.
  • 結果:ISIが5msecおよび20msecのときに,短母指外転筋のMEPが有意な増大を示した.一方,小指外転筋のMEPは変化しなかった.
  • 結論:2連発末梢電気刺激がもたらす効果はISIにより異なることが明らかとなった.