鈴木らの論文がBrain and Behaviorに受理されました

Authors: Suzuki M, Kirimoto H, Sugawara K, Watanabe M, Shimizu S, Ishizaka I, Yamada S, Matsunaga A, Fukuda M, Onishi H.
Journal: Brain and Behavior
Title: Induction of cortical plasticity for reciprocal muscles by paired associative stimulation

要旨:
近年,主動筋に投射する一次運動野の機能を非侵襲的に変化させる連合性ペア刺激(PAS)が開発され,運動前のコンディショニング刺激を提供する新たなリハビリテーション・ツールとして期待されています.本研究では,健常被験者20名を対象として,主動筋に投射している一次運動野に対するPASの効果が,拮抗筋運動野の可塑的変化を誘導するか否かを検証することを目的としました.PASは,正中神経への経皮的電気刺激と一次運動野への経頭蓋磁気刺激を組み合わせ0.25 Hzの頻度で200回行いました.その結果,PAS中の単発MEP振幅は,主動筋および拮抗筋ともに時系列的に増加しました.また,PAS後にGABAB作動性のlong-interval intracortical inhibition(LICI)を測定したところ,主動筋においてのみPAS後にLICIが増加しました.PAS中の単発MEP振幅の増加が主動筋と拮抗筋の双方に認められたことから,主動筋の一次運動野内における介在ニューロンが拮抗筋へ発散していることが推測されました.また,PAS後のLICIの増加が主動筋においてのみ認められたことから,PAS中の単発MEP振幅の増加とPAS後のLICIの増加は異なる機序によって生じていると考えられました.