7/14 勉強会

【研究報告】

担当:高井

タイトル:一次運動野領域への経頭蓋直流電流刺激が頭蓋内血流動態に与える影響:近赤外分光法を用いた経時的観察

要旨

  • 目的:一次運動野上のtDCSが頭蓋内血流動態に与える影響をNIRSを用いて明らかにすること.
  • 方法:安静3分の後,20分間の刺激(anodal条件,cathodal条件,sham条件)を行い,その全行程でNIRSを用い,経時的に酸素化ヘモグロビン濃度を計測した.
  • 結果:運動前野,補足運動野,一次運動野においてanodal条件,cathodal条件ともにsham条件に比べ有意な酸素化ヘモグロビン濃度の低下が観察された.一次体性感覚野においては,cathodal条件,sham条件に比べanodal条件に特異的な酸素化ヘモグロビンの上昇がみられた.
  • 考察:運動関連領野全体の極性によらないない脳血流低下には,デフォルトモード・ネットワークの変更と(あるいは)tDCSによるアストロサイトの脱分極が関与した可能性が考えられた.
  • 結論:tDCSはanodal条件cathodal条件ともに,電極直下の領域のみならず,その他の皮質領域の脳血流に対しても広く影響することが示された.

 

【文献抄読】

担当:江玉

タイトル:Section Modulus Is the Optimum Geometric Predictor for Stress Fractures and Medial Tibial Stress Syndrome in Both Male and Female Athletes

要旨

  • 目的:MTSS群,SF群,SC群(非運動群),AC群(運動群)を対象に,CT imagesを使用して,脛骨の各種パラメーターを計測してその違いを検討する.
  • 方法:SC群(sedentary control),AC群(aerobic control),MTSS群,SF群の4群の計88名(男性43名,女性45名)を対象とした.
  • 結果:男性ではAC群が他の群に比べて脛骨横断面のパラメーターが有意に大きな値を示した.また女性では,AC群が他の群に比べて断面係数のみが有意に高い値を示した.
  • 考察:MTSSの発生要因として骨膜を含めた骨皮質へのbendingが大きく関与している可能性が示唆された.