6/30 勉強会

【研究報告】

担当:岩波

タイトル:Hand Mental rotation task-性差の影響-

要旨

  • 目的:性別が手のメンタルローテーション課題に与える影響を明らかにすること.
  • 方法:右利き健常成人41名(男性21名,女性20名)を対象にHMRTを実施し,反応時間を計測した.
  • 結果: HMRTの反応時間は女性より男性の方が反応時間は早い傾向を示したが,有意差は認めなかった.提示画像(左右の手)で分けて比較した結果,男性群では右手が左手より有意に短縮したが,女性群では有意差は認められなかった.角度別の反応時間は性別に関わらず,身体構造上見慣れてない角度で反応時間が遅延する傾向を示した.
  • 考察:手のメンタルローテーション課題の反応時間にも性差が影響する可能性が示唆された.また,角度別の反応時間の傾向には,性差は影響せず日常的な視覚情報が影響することが示された.

 

【文献抄読】

担当:東原

タイトル:Brain regulation of muscle tone in healthy and functionally unstable ankles

要旨

  • 目的:足関節捻挫既往者において,足関節弛緩性と皮質興奮・抑制系との関係を調査すること.
  • 方法:足関節捻挫既往歴なし・機能的不安定性なし群(CON)12名と,既往あり・機能的不安定性あり群(UNS)12名,計24名を対象とした.足関節前方偏位量(mm)および内反偏位量(°)を計測し,足関節弛緩性の指標とした.TMSを用いて,15%MVCにて足関節回内時の前傾骨筋,長腓骨筋,ヒラメ筋における刺激応答曲線を取得し,長腓骨筋よりCSPを記録した.
  • 結果:足関節弛緩性および皮質興奮・抑制性はgroup間で有意な差が認められなかった.足関節弛緩性と皮質興奮・抑制性との間に有意な相関関係が認められ,CONとUNSで異なる関係性が認められた.
  • 考察:CONとUNSとでは,足関節弛緩性と皮質興奮・抑制性との関係性が異なることが示された.UNSにおいて,高い足関節不安定性を補うために足関節の動的安定性に寄与する筋における皮質興奮性を高め,関節摂動に抗する力を高めている可能性が示唆された.