鈴木らの論文がJournal of Medical and Biological Engineeringに受理されました.

Authors: Suzuki M, Kirimoto H, Sugawara K, Kasahara Y, Kawaguchi T, Ishizaka I, Yamada S, Matsunaga A, Fukuda M, Onishi H

Journal: Journal of Medical and Biological Engineering

Title: Time course of change in movement structure during learning of goal-directed movement

要旨:

目標指向運動の初期ではフィードフォワード制御によって運動が行われ,後期ではフォードバック制御によって初期の運動が修正されると考えられています.本研究では,健常者被験者9名を対象として,目標指向運動の学習に伴う運動初期と後期における主動筋(上腕二頭筋)と拮抗筋(上腕三頭筋)の筋電図活動および運動学的変数の変化を検証することを目的としました.目標指向運動課題では,ランダムな間隔で呈示されるメトロノームの開始合図に応じて,スタート位置からターゲット位置まですばやくかつ正確に肘屈曲運動を行うよう被験者に教示しました.肘屈曲運動は,10回を20セット実施しました.その結果,運動学習に伴って拮抗筋の筋電図活動は指数関数的に減少し,主動筋の筋電図活動は著明な変化を認めないことが明らかになりました.さらに,目標指向運動の後期は初期よりも,筋電図活動と運動学的変数の変化率が大きいことが明らかになりました.これらの結果は,運動の後期における拮抗筋の余剰な筋活動の抑制が円滑な目標指向運動の学習に重要であることを示唆しています.