鈴木らの論文がPlosOneに受理されました.

Authors: Suzuki M, Kirimoto H, Sugawara K, Oyama M, Yamada S, Yamamoto J, Matsunaga A, Fukuda M, Onishi H

Journal: Plos One

Title: Motor cortex-evoked activity in reciprocal muscles is modulated by reward probability

要旨:

主動筋が収縮すると同時に拮抗筋が抑制される相反性抑制の神経機能は,円滑な行動を遂行するための重要な役割を果たしています.本研究では,健常被験者8名を対象として,オペラント学習に伴う皮質内抑制機能の相反的な変化を検証することを目的としました.オペラント学習課題では,手関節屈曲の反応に対して種々の報酬確率(90%,50%,10%)を設定し,手関節屈曲開始合図の0.05秒前および報酬提示の2秒後に経頭蓋磁気刺激を呈示することによって橈側手根屈筋(FCR)および橈側手根伸筋(ECR)における運動誘発電位(MEP)振幅の相反的変化を観察しました.その結果,手関節屈曲直前におけるMEP振幅相対値(FCR/ECR)は,10%報酬確率が90%報酬確率よりも大きく,報酬提示後におけるMEP振幅は,90%報酬確率が10%および50%報酬確率より大きいことが明らかになりました.これらの結果は,行動学習課題における報酬確率の変化に伴って,主動筋と拮抗筋に投射するM1興奮性が相反的に変化することを示唆しています.