要旨:
私達は自己を取り巻く環境の変化に無意識に気づきます。これまでの研究において、ヒトの感覚系(聴覚、視覚、体性感覚)には自動的に変化を検出する機能があることが報告されてきました。本研究では、特に体性感覚において「刺激部位変化」に対して特異的に活動する脳部位の同定に成功しました。実験は3条件を設定し、稀に刺激がある条件をdeviant刺激(20%)、頻回に刺激がある条件をstandard刺激(80%)として実験を行いました。Deviant刺激は常に右手の示指に呈示し、Standard刺激の部位だけを変更しました。Standard刺激は、親指(Small Deviance:SD)、小指(Medium Deviance:MD)、足の親指(Large Deviance:LD)に呈示しました。刺激部位の変化量がSD < MD < LDと大きくなるように条件を設定しました。その結果、刺激部位の変化量が大きくなるにつれて後頭頂葉(Posterior Parietal Cortex:PPC)の脳活動が大きくなることが明らかになりました。このことから後頭頂葉が刺激部位の変化を自動的に検出する部位であることが明らかになりました。