江玉が第119回日本解剖学会トラベルアワード(献体協会賞)を受賞しました

平成26年3月27日~29日に自治医科大学(栃木)で開催された第119回日本解剖学会にて,江玉睦明が日本解剖学会トラベルアワード(献体協会賞)を受賞しました.

研究タイトルと要旨は以下の通りです.

タイトル:アキレス腱の形態学的特徴
演者:江玉睦明大西秀明久保雅義,渡辺博史,梨本智史,熊木克治,影山幾男

要旨:本研究では,アキレス腱の形態学的構造について29体50側を用い,肉眼解剖学的に検討した.アキレス腱は腓腹筋内側頭,外側頭,ヒラメ筋の付着する各腱線維束が互いに捻れながら融合しており,アキレス腱を近位から見たとき右側アキレス腱では反時計回りの方向へ,左側アキレス腱では時計回りの方向へ捻れを呈していた.捻れの程度により,内側頭が踵骨隆起の表層外側2/3,ヒラメ筋lが深層全体から表層内側1/3に配列し,外側頭が外側中央部(内側頭の深層)に挟まれているもの(軽度型:32%),内側頭が表層外側2/3~1/2,外側頭が深層外側1/2~2/3,ヒラメ筋が深層内側1/2~1/3から表層内側1/3~1/2に配列するもの(中等度型:56%),内側頭が表層外側1/3,外側頭が深層全体,ヒラメ筋lが表層内側2/3に配列するもの(重度型:12%)に分類できた.各腱線維束を更に詳細に分離していくと,内側頭は比較的平行に走行しているのに対して,外側頭とヒラメ筋は捻れながら踵骨隆起に付着していた.今回の結果からアキレス腱は例外なく捻れ構造を呈していた.また,全例に共通して内側頭は捻れの程度に関わらず比較的平行に走行して踵骨隆起の表層外側に付着していた.この特徴は体表解剖学的,また整形外科的に有用な情報となると考える.