2/3 勉強会

【研究報告】

担当:稲井

タイトル:機能別実効筋理論を用いた筋張力推定

要旨

  • 目的:機能別実効筋を用いて動的な運動時の筋張力を推定し,筋電図情報との一致度を比較検討すること.
  • 方法:椅子への座り動作,歩行動作の2つの課題動作を設定した.筋骨格モデルは,腸腰筋・広筋群・大腿直筋・大殿筋・大腿二頭筋短頭・ハムストリングスの3対6筋から成り立つ機能別実効筋とした.深部筋を除いた広筋群・大腿直筋・大殿筋・ハムストリングスの推定筋張力と筋電図情報をPearsonの相関係数にて比較検討した.
  • 結果:広筋群・大腿直筋・大殿筋・ハムストリングスの相関係数について,座り動作では各々0.93,0.82,0.76,0.81であった.歩行動作では各々0.98,-0.81,0.84,0.20であった.
  • 考察:主として歩行動作で負の相関がみられた.機能別実効筋は等尺性収縮下にて,系先端での力ベクトルと筋活動のパターンが協調的であるとされており,動的な状況では筋線維長や筋線維収縮速度を変数として非線形に変化するため,これらの点について修正および改善が必要とみられた.

【文献抄読】

担当:東原

タイトル:Activation of quadriceps femoris including vastus intermedius during fatiguing dynamic knee extensions.

要旨

  • 目的:筋疲労を伴う膝関節伸展運動時の大腿四頭筋の筋活動動態を比較・検討すること
  • 方法:健常男性9名を対象とし,ウエイトトレーニングマシンにおいて50%1RM, 70%1RMの膝伸展運動(CON phase 3sec,ECC phase 3sec,1sec rest)をオールアウトまで継続し,中間広筋を含めた大腿四頭筋4筋の筋活動を記録した.
  • 結果:CON phaseでは試行回数の増加に伴い,筋放電量が増加傾向であった.大腿四頭筋各筋の筋活動動態は膝関節角度に依存し,筋疲労を伴ってもその特性に変化は認められなかった.内側広筋の筋放電量においてのみ,運動強度の違いによる差が認められた.
  • 考察:筋疲労を伴う動的膝伸展運動における大腿四頭筋の筋活動動態は, 膝関節角度および運動強度に依存して変化することが明らかとなった.