3/17 勉強会

【研究報告】

担当:岩波

タイトル:Mental rotation taskと利き手との関連

要旨

  • 目的:右利きおよび左利き者を対象に手のメンタルローテーション課題(HMRT)を実施し,課題の結果と利き手との関係を明らかにすること.
  • 方法:右利き健常成人30名(男性10名,女性20名),左利き健常成人4名(女性4名)を対象に,HMRTを実施し,反応時間を計測した.
  • 結果:HMRTの反応時間を提示画像(左手・右手)で比較した結果,右利き群では右手が左手より有意に短縮したが,左利き群では有意差は認められなかった.角度別の反応時間は利き手に関わらず,身体構造上見慣れてない角度で反応時間が遅延する傾向を示した.
  • 考察:利き手の違いによる脳機能構造の差異がHMRTに反映される可能性が示された.また,角度別の反応時間には,利き手に関わらず,日常的な視覚情報が影響し,課題に反映される可能性が示唆された.

【文献抄読】

担当:高井

タイトル:Anodal transcranial direct current stimulation (tDCS) over the motor cortex increases sympathetic nerve activity

要旨

  • 目的:健常成人におけるtDCSが心血管系自律神経活動に及ぼす潜在的影響を明らかにすること.
  • 方法: 2mAの陽極(または陰極)tDCSと擬似刺激を,15分間unilateral配置(一次運動野と前額部)で実施.tDCS刺激中および刺激後の心拍数,血圧,呼吸頻度を記録した.
  • 結果:陽極tDCSは心拍変動を交感神経優位に変化させた.筋交感神経活動も,刺激後持続的に有意な増加を示した.
  • 考察:運動皮質への陽極tDCSは,、自律神経系のバランスを交感神経優位にシフトさせる可能性がある.これには,陰極によるmPFCの抑制や陽極による運動皮質の直接刺激が関与したことが考えられる.