12/23 勉強会

【研究報告】

担当:椿

タイトル:定常負荷での自転車エルゴメータ駆動中の頭部酸素化ヘモグロビン濃度変化−頭皮血流および血圧との関係−

要旨

  • 目的:運動強度を一定にし,自転車エルゴメータ駆動したときの頭部酸素化ヘモグロビン濃度変化(O2Hb)と平均血圧(MAP)および頭皮血流(SBF)の変化との関係を明らかにすること.
  • 方法:最高酸素摂取量の50%の負荷量で20分間の自転車エルゴメータ駆動を行い,その間のO2Hb,MAP,SBFを測定した.phaseごとの相関係数を算出した.
  • 結果:O2HbとMAPあるいはSBFの相関は,phaseによりその強さが異なっていた.
  • 考察:定常負荷運動中であってもO2HbとMAPあるいはSBFとの相関関係の強さは一様ではなく,O2Hbの解釈にはこれらを含めた配慮が必要であると考えられる.

 

【文献抄読】

担当:岩波

タイトル:Modulation of corticospinal excitability dependent upon imagined force level.

要旨

  • 目的:イメージする筋張力レベルと運動イメージ時の皮質脊髄路の興奮性との関係を明らかにすること.
  • 方法:健常成人男性12名を対象に,右肘関節90°の等尺性収縮(%MVC:10,30,60)をイメージさせ,その間にTMSを用いて腕橈骨筋,上腕二頭筋,上腕三頭筋よりMEPsを計測した.イメージが正確に行えているかはMEPs計測後に各%MVCの再現テストを行い確認した.
  • 結果:腕橈骨筋・上腕二頭筋のMEP振幅値は10%MVCイメージ時より60%MVCイメージ時で有意に(p<0.05)増大した.一方,上腕三頭筋のMEP振幅値は条件間で有意差がなかった.また,再現テストの結果, MEP計測前後での各%MVCの筋張力発揮に有意差はなかった.
  • 考察:イメージする筋張力のレベルに応じて運動イメージ中の主動作筋の皮質脊髄路興奮性が増大することが明らかとなった.このことにより,運動イメージ訓練を行うことで,細かい力のコントロールが必要な活動のパフォーマンスを改善させる可能性が示唆された.