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研究報告

担当:大西

研究テーマ 「他動運動時および随意運動時の脳磁界反応について」

要旨
他動運動時および随意運動時の脳磁界反応を計測し,Multi Dipole Analysis法で複数の電流発生源とSource activityの経時的変化を解析した.その結果,他動運動時には運動直後に運動と反対側の補足運動野(SMA)や後頭頂葉(PPC),両側の二次体性感覚野(S2)の活動が観察されることを明らかになった.fMRIやPETを利用した実験においても同様の皮質領域が活動することが報告されているが,本研究では活動している皮質領域だけでなく,各皮質活動の経時的な変化を明らかにした.

[Brain and Behavior (in-press), Accepted 15 January 2013]

文献抄読

担当:田巻

論文

Sun X, Kishore V, Fites K, Akkus O. Osteoblasts detect pericellular calcium concentration increase via neomycin-sensitive voltage gated calcium channels. Bone. 2012, 51:860-867.

要旨

  • 背景:機械的負荷による骨内細胞の生物学的活性に至る過程の機序は,運動(メカニカルストレス)による骨代謝への効果を立証する上で関心が高い.本論文では,骨へのstrainによる骨芽細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇にどのCa2+チャネルが関連しているかを以下の10種類の阻害剤を薬理的に用いて検証している.
    1) thapsigargin, 2)  TMB-8, 3)  calhex, 4) gadolinium, 5) nifedipine, 6) verapamil, 7) neomycin, 8) ω-conotoxin,
    9) ryanodine 10)dantrolene.
  • 結果:その結果,neomycinで阻害した場合においてのみ,strain誘発性の細胞内Ca2+濃度が,阻害しない場合と比較して有意に減少した.またneomycin阻害ではCa2+ピーク値の量的減少だけでなくピークに至る時間も遅くなった.
  • 考察:neomycinでstrain誘発性の細胞内濃度上昇が抑えられたことから,strain刺激による骨芽細胞内Ca2+濃度の上昇は,voltage-gated calcium channels (VGCC: 特にN-type及びP-type)を通した働きである可能性を推察している.