研究者として、脳の病気に向き合う
理学療法学科
佐々木 亮樹
卒業年 |
:2015年3月 |
出身高校 |
:宮城県・佐沼高校 |
勤務先 |
:南オーストラリア州アデレード |
職種・職位・資格 |
:理学療法士 |
私は運動機能に関わる脳研究を行っています。脳卒中は、発症後50~80%の確率で運動麻痺が生じ、重症度や年齢によっては回復が困難な場合があります。所属する研究チームでは、被験者データの収集・分析により、その回復を促す脳刺激法を開発し、患者様のサポートに繋げています。
- 現在の職種・業種を志したきっかけや理由について教えてください。
- 卒業後、理学療法士として脳卒中リハビリテーションに携わってきました。脳卒中後の運動麻痺は、リハビリテーションによって改善が期待できまが、多くの患者様で永久的な後遺症が残ります。私も理学療法士として、十分な回復が得られないまま退院を余儀なくされる患者様を何度も見てきました。この経験から、より良いリハビリテーションを模索するため、修士・博士の学位を新潟医療福祉大学大学院で取得し、研究者を目指しました。
- 本学での学びで活かされていることは何ですか?
- 4年間の学部では、理学療法士としての実践的スキルを学び、修士・博士課程では、論文を書くための深い研究スキルを得ることができました。これらの豊富な経験を踏まえ、研究の専門知識に加えて、自らの研究領域である臨床学的知識も修得することができました。これは、実際の臨床現場における問題点とニーズを把握するための重要な経験であり、汎用性かつ応用性に富んだ研究を発想することが要求される現在の仕事に活きていると思います。
- 今後の夢について教えてください。
- 脳卒中リハビリテーションは発展途上の領域であると考えています。その理由として、「脳」の機能は非常に複雑であり、十分に解明されていないことがたくさんあります。そのため、私が行う脳研究を通じて、脳機能の解明されていない一部分を明らかにし、その成果を最終的に脳卒中患者に還元することを目指しています。
- 高校生へ一言お願いします。
- 理学療法士は、患者様の身体機能の回復を手助けするやりがいのある仕事です。本学には、様々な理学療法分野の先生方が在籍し、質の高い研究が行われています。理学療法が関わる研究に興味のある方は、大学院での研究活動をおすすめします。